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モノづくりの失敗@日本酒ベンチャー2019

こんにちは。「HINEMOS」という日本酒を展開している酒井です。

時間をコンセプトにした日本酒で、いま6銘柄を展開しています。

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アップが遅れましたが、2019年の末、1年間モノづくりをしてきた中で、「これは失敗した」「コストがかかってしまった」という事例を振り返って、書きはじめていました。

失敗」というよりは「改善」なのですが、発覚した瞬間には絶望していますので、失敗という強いワードを用いています。

それでは、ベストスリー形式で書いていきたいとおもいます。

第3位 パッケージの色が付いてしまう

HINEMOS_パッケージ写真

白と黒の円筒パッケージを採用しているのですが、材質は和紙のような繊細なものを使っています。

特に白の方は繊細で、少し黒いものなど何かがふれたら、その瞬間に色移りしてしまいます。下の写真のように、黒い色が点々がつきやすいです。

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そんななかで起きたのですが、配送ケースは1〜3本が入るグレーの箱をつかっています。1本をお求めいただくより、数本の方が送料分だけ、お求めやすくなるので、2、3本をお求めいただく方が多いです。
中のパッドを変形することで、ご注文の本数に対応できるようにしています。

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2本までは問題なかったのですが、3本で問題がおきました。下の写真のように1本が下で、2本が上になります。1本が黒パッケージ、2本が白パッケージの場合、下に黒を配置します。

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いつも本番前に家へ配送テストを行うのですが、配送の中で白と黒のパッケージが上下に擦れてしまい、白パッケージに黒の塗料が色移りしてしまいました。

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はじめは1枚A4の和紙を巻いて、対策をこうじていたのですが、移動距離が長かったりすると、上部1cmと下部1cmの空白部分がこれ擦れあってすれてしまい、また色移りしてしまいました・・・

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ここからケースの中のパッドを変更してしまうと、版代と型代、という初期費用(10万円は軽く超えます)が再度かかってしまいますし、すでに相当量のケースが倉庫には届いていますので、途方に暮れました・・・

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完璧な打ち手ではないのですが、オシャレな和紙を3枚つかって、真ん中、上下で3枚つかうことで、この失敗を乗り越えました。

そして、4〜6本お求めいただく方にのために開発していた6本用のケースが完成したので、今後は3本の方はそちらでお送りする予定です。

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テキストにすると、そんなに重たい失敗に感じないのですが、幾度も倉庫にいったり、自宅に送ったり配送テストを繰り返したり、時間やコストも地味にかかった失敗事例でした・・・

第2位 お酒の色が変色してしまう

これは年中、悩まされた問題でした。HINEMOSはオススメは何ですか?と聞かれたら、「全てです」とは答えるのですが、敢えて自分の中であげるとすれば「REIJI」(0時)です。

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いちばん最初に完成したということ、できたとき日本酒の概念を超えるような日本酒が完成した、というワクワクを感じた瞬間が忘れられないからです。(単純にわたしがあまりお酒が飲めず、低アルコールが好きだということもありますが)

そのREIJIですが、全6銘柄でいちばん扱いが難しかったです。REIJIのピンクは黒米の色素で発色しているのですが、そのピンクの色素が、時間が経つと変色していきました。ある程度は想定していたのですが、想定以上に繊細でした。

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日本酒が影響をうけるのは、酸素、光、温度の3つといわれています。REIJIは抜栓せずに酸素に触れなくても、光と温度で変色します。

イベントなどで外光にさらされていると3時間ほどでピンクからオレンジ(褐色)に変色しました。外に出ている赤色のポスターが時間がたつと色が抜けるのと同じ原理です。原色は太陽に弱いようです。

しかし、温度で色が変色することは想定できていませんでした。冷暗所においていても、3時間以上常温だと、これまた変色してしまいました。

変色しても品質に問題はなく、味わいもほとんど変わりません(きき酒できる人は若干、後味に渋みを感じます)。ただ、あまりに色が抜けすぎてしまうと、梅酒のような熟成酒に近い味わいになっていきます。


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現在の対策は、

・温度は冷蔵倉庫からクール便でお送りして、温度による変化を最低限におさえ、必ず届いた後は冷蔵保存をしていただくこと。
・外光は紫外線フィルタの袋をかぶせ、外光を極力排除すること。

としています。
すこしでも、フレッシュでベストな状態で届けたい、というモノづくりのきもちを心から感じた失敗、そして改善でした。


第1位 パンフレットに価格を記載してしまう

これはいちばんツライ失敗でした・・・

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時間がコンセプトということもあり、時計をモチーフにしたパンフレットをつくっています。つくったときに気をつけていたのが、「必要な情報を盛り込むこと」、「誤字やプリントミスがないこと」。再三、みんなでチェックして、「よし、問題ない」という状態で、はじめに4,000枚を印刷しました。

完成品も問題なく、イベントなどで配布しても、形状から好評で、興味をもって手にとって読んでもらうことができていました。

ただ、年末につれて問題が出てきました。

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すべてのクリエイティブやデザインに拘っていることもあり、HINEMOSは贈答用やギフトにお使いいただくことが多く、データをみると想定の倍の需要がありました。

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あたりまえなのですが、贈り物をするときには値札はとりますし、価格記載がある部分は削除します。

完全に怠慢なのですが、夏に作成したとき、360度、業務に溺れるなか、このパンフレットを120%考え抜けたか、というと自信がありません。「どういった方にお求めいただくのか」、「そのときに体験で起こることは何か」、ちょっと考えればわかるのですが、それができませんでした。妻には「価格記載外すなんて、そんなの当然でしょ」と失笑されました。つらかったです。

年末、お歳暮やクリスマスに、ギフトサイト経由や贈答用をご希望で、メールをいただいた、おそらく100人以上の方々に、

○○さま
ギフトにお使いいただきとても嬉しいです。
大変申し訳ございません。配慮が足りておらず大変恐縮なのですが、パンフレットに価格が記載されております。ご説明いただくときにお使いいただき、お渡しいただく際にはご留意いただければ幸いです。

といった趣旨のご連絡をさせていただいたとおもいます。

よくカスタマーやシェフの方々にいくらですか?と聞かれることが多かったため、パンフレットに記載したほうがいいだろう、と安直におもった自分を攻めた年末でした・・・

まもなく新しい銘柄を追加するときに、価格記載の紙は差し込みにして、用途に合わせてお選びいただけるようにする予定です。

失敗を乗り越えて

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1年ぶりに新作をクラウドファンディングのMakuakeで発表しています。改めて創業の想いやプロダクトについて書いています。

夜の「11時」と深夜の「1時」です。→ こちらから

ここまでの失敗から、1年分の改善と想いを込めてつくっています。味はもちろん、手提げ袋、パンフレット、配送ケースなど、1年前とは比べものにならないほど進化しているとおもいます。

これからも飽くなきモノづくりをつづけていきます。

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新銘柄のクラウドファンディングをスタートしています! → こちら

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