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長江俊和「出版禁止」

あらすじ
著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、執筆者はライターの若橋呉成。内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。死の匂いが立ちこめる山荘、心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。

この小説は単純にめちゃめちゃ面白かったのでおすすめさせてもらいます。ぜひ読んでみてほしい作品です。


この小説は基本的に、若橋呉成(わかはしくれなり)というライターが書いたルポタージュを読むことで進んでいきます。

彼の取材記録とインタビューなので一人称視点で謎を追う展開がとにかく読みやすい!

あらすじにもあるように「どんでん返し」と言われると結果が期待を超えることは難しいと思っているんですが、本作は返されたというよりラストで深い穴に突然落とされるみたいなそんな感じでした。


作中作という形の小説なのでなぜこのルポタージュが出版禁止になったのか、ルポタージュの若橋視点を抜けた後に新たな謎と結末を知ることになります。

正直ラストはぞくぞくが止まりませんでした。

さらにこの小説は読み終わった後にも多くの仕掛けが残されていると感じました。

ぜひ読後に解説やネタバレ考察など他の人の感想もチェックしてみて下さい。きっとさらに深い感嘆のため息が出ると思います。



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