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#272【連載小説】Forget me Blue【画像付き】

 大騒ぎするのに違いないから、一には事件のことをぐには伝えずに、先にあかちゃんを紹介した。その後三階の自室へ行き着替えて来た彼はテーブルに着き、佐村が温め直したスコッチエッグのラタトゥイユ風ソース煮と、唐揚げにフライドポテト、それからサラダとコーンポタージュに舌鼓したづつみった。最後にイグネスショートとガトーショコラも出したら、一は何度もあかちゃんに礼を言って幸せそうに味わった。
「ふう、ご馳走ちそうさまでした! 先に頂いちゃってごめんね……今日は豪華なお料理とケーキがあるって聞いたから、早めに帰って来て本当に良かった! 満腹満腹。皆さんありがとう」
「父ちゃん、そんでさ……」
 一が食べている間に、残りの面面めんめんの夕食であるポークビーンズが完成したから、イチは炊き立ての十六じゅうろっこくまい入りご飯を茶碗によそいながら話を切り出した。すると、何かを察したのか一の顔が強張こわばる。だから昼間起こったことを一息に伝えると、予想通りパニックになった。
「溝口さん、いまぐ警察に行こう! 私が乗せて行くから!」
「ええ、そんな、今日はもう良いだろ……警察も後日来てって言ったんだし」
「でも、早ければ早い方が良いでしょ!?」
「お父様、被害届を出すのには診断書があった方が良いですから。明日私が書きますので……」
「えっ、そうなの」
 ぴえんTシャツ﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅と借り物のスウェットパンツ姿の溝口をぐにでも連れ出そうとするので、イチが慌てているとあかちゃんが助け船を出してくれた。すると一は思い止まったから、フライドポテトとサラダを取り分けている佐村とそろって胸をろす。それから受付の未央も呼んで、「頂きまーす」と声をそろえて手を合わせ、わいわい食べ始めた……。

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【会社員×両性具有の管理人】寂れた商店街の一角にある駐車場の管理人であるイチは、ある日訪れた時間貸しの客、佐村さむらと出会いすぐに惹かれていく。しかしどこか陰のある彼には悲しい過去があって——。

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