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先週のショートショート【23年12月24日~12月29日】

■2023年12月24日(日)
妻からのお題は「こより」。ふだん縁なきものは書きにくい。イメージの核がないから連想も広がらない。一階から妻の笑い声が聞こえる。M-1の決勝戦が始まっているのだろう。自分は自分のことをと思い、つらつらと書いていく。8時30分頃ようやく完成。よくあるパターンを使ってしまった。「ティッシュと暇人」というタイトルでアップロードする。

■2023年12月25日(月)
妻からのお題は「咳」いま、私が空咳ばかりしているからだろうか。空咳無駄だなと思い、空咳が無駄にならない話を考えてみる。「コホッ」というタイトルをつけてアップロード。

■2023年12月26日(火)
ショートショートを書く。妻からのお題は「原作」。あっ、これは書けないなと予感し、はやめにスタートする。とりあえず2本書く。妻、1本目は無反応。2本目は直しは入ったが、気に入らない様子。原案くんというロボットと相談して小説を書く話だからなんの工夫もないと言われても不思議はない。お題に近すぎるのが気に入らない様子だったので、思い切ってテラフォーミングの話を書く。そこそこいいと思ったが、「ダメだと思います」と一言で切り捨てられる。4本目、小説をフレイバーにする話。もう疲れているので力が抜けている。「まだ書いてたの」と呆れられるが、いままででは一番マシということで、4本目を採用。タイトルは「フレーバー」にする。

■2023年12月27日(水)
妻からのお題は「一同」。昼からこの言葉を何度も口ずさみ悩んでいる。どうしても反対概念の村八分の話が浮かんできてしまう。地球終末と絡めて一本書く。いかにもショートショートという感じがして気に入らない。もう一本をあまり深く考えずに書き出す。田舎の「つうかぎれい」の話である。これも孤独な話だが、ストレートな村八分夫よりはまだいい。次第に幻想域に入っていって終わる。珍しく妻から「おおおーー、なんという結末。いいねえ。」とお褒めの言葉が来た。「旗」というタイトルでアップロードする。前の一本も「面白い」ということだったので、あとで「ひとりぼっち」というタイトルでアップロードする。

■2023年12月28日(木)
妻からのお題は「花道」。目の前にあるものを言うてるだけとちゃうんか! 花道を飾るとすればいちおう勇退の意味にもなるが、ふつうにいって歌舞伎の話でしょう。ということで、説明抜きで歌舞伎町になっている社会の新入社員の話を書く。あまりうまく書けなかった。書き直しを考えているうちに時間が来る。「部活」というタイトルでアップロード。ろっぽをろっぽうと読んでいた。こんな浅い知識で書くものではない。

■2023年12月29日(金)
妻からのお題は「子守唄」。赤ん坊のとき聞いたかもしれないが覚えていないし、自分が音痴なので子どものためには唄っていない。さて、どうしたものかとうろうろする。最初に喫茶子守唄の話を書く。客先のオフィスに早めについたので、一階に入ってた喫茶店で「子守唄」で眠って遅刻してしまうというだけのなんということもない話。やはりダメだ。妻の睡眠薬の処方箋を薬に変えるためトモズ薬局に行き、ソファで二本目を考える。眠れず煩悶している午前二時にチャイムが鳴る。その先にいたのは流しのマッサージ師という話を書く。あまり代わり映えしないが、二本目のほうが展開がスムーズである。妻の「面白い」という反応もあったので、「午前二時の流し」というタイトルでアップロード。悪くない気がするが、こういう地味なのはウケないのよね。

■まとめ
フィクションが現実に負けてはいけないので、積極的にからめとっていかなければならない。虚構はいくらネガティブなことを書いてもいいはずだが、そういうのは評判がよくない。といって私はけっしてポジティブな性格ではないので、中間を縫っていく作風となる。最近は一本目で通そうという気力が失せてきて、何本か書いて一本通ったらいいかと諦めがち。ただそこにあるというふうな作品を書きたい。気がつくともうすぐ大晦日だ。なんと一年の早いことよ。いろいろなものが流れ去って、あとにはお話だけが残っている。

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