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小説「真夜中に目が覚めた」

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「真夜中に目が覚めた」で始まる、結婚とは、夫婦とは、家族とは、幸せとはを綴った短編連作。
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#孤独

【第八夜】ひとり

【第八夜】ひとり

 真夜中に目が覚めた。

 「ひとり」だということが、こんなにも心許なくて、不安でさみしいことだなんて知らなかった。

 もう立派な大人で、小さな子どもがいてもおかしくないぐらい年を重ねているのに……私は今、迷子になった子どもみたいに不安で押しつぶされそうになっていた。

「洋二さん」

「ああ、美幸ちゃん」

「ちゃんはないでしょう、私明日で25だよ」

「しょうがな

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