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T型人材になれない、「ゲジゲジ型人材」という生き方

「自分の専門を持とう」
「自分が何者かをハッキリさせよう」
「何でもできますは、何でもできないだよ」


とキャリアアドバイスの話を何十回と見聞きしてきたのですが...聞いてきたのですが、結構難しくないですか。「専門性を持つ」ことって。

「自分の強み・専門はここだ」と自信を持って言えず、迷い悩み悶々としている人もいるのでは?どうなんでしょう。

一つの領域を突き詰めながらも、幅広い知識を有している「T型人材」という人たちがいます。

「T型人材」とは、特定の分野を究め、その深い専門知識と経験・スキルの蓄積を自らの軸に据えつつ、さらにそれ以外の多様なジャンルについても幅広い知見を併せ持っている人材のことです。アルファベットのTの文字のタテ棒を専門性、ヨコの棒を視野の広さに見立てて、こう呼びます。
https://jinjibu.jp/keyword/detl/271/

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それに比べて、「あなたの専門はなんですか?」と問われても、自信を持ってこれだ!と言うことができない。SNSを見ると自分よりすごい人なんてたくさんいすぎるし、なのに、数年経験した「これ」を専門って呼んでいいのかな?と。

いや、書きながらウジウジして面倒な奴だな自分と思いはじめたんですけども、今日書きたいのはウジウジした話ではなく、ゲジゲジした話です。

T型人材になりきれない、ゲジゲジ型人材

例えば僕は、営業のキャリアからはじまり、保育施設運営、イベント企画、コーディネート、バックオフィス、営業企画、広報、採用、人事...など色々経験してきました。

よく?いえば、器用貧乏。

特定の分野で突出した成績を出せていないんですが、T型モデルに自分を当てはめてみると、

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こんな感じです。

突き抜け...ているとはいい難い、T型にはほど遠い専門性の深さです。

でもですね、

ちょっとここで楽観視というか、違ったメガネで先ほどの写真を見てみると...。

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実態は、こうなってると思うんです。

解像度を高くして自分の経験・職能を眺めてみると、ゲジゲジしている。残念ながら突き抜けている部分は無いけど、無数の出っ張りがある

恐らく多くの人は、自分自身の経験や能力をぼんやりとしか捉えられず、「ある」ものに気づけなかったり、言語化力や信じる力が無いばかりに過小評価していることが多いんじゃないかと思います。

とはいえ、この時点でわかったのは、T型人材になれない「ゲジゲジ型人材」だということ。

なのでここからは、ゲジゲジ型人材がどうやって価値発揮していくかを考えてみたいと思います。

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ゲジゲジ型人材は、声をかけられづらい

ゲジゲジ人材の最大の難点は、「声をかけてもらいづらい」こと。

「何ができる人かよく分からない」ので、いつ、どうやって声をかけていいか分かんないんですね。

例えば、

「BtoCサービスのWebサイトをつくりたい」

と、Webデザインの仕事を頼みたいなと考えている人がいたとき、

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解決をしたい課題、お願いしたい仕事が明確であれば、それを持った「専門性」のある人を探します。

課題が明確で、お願いしたい仕事の要件が固まっている時点で、求められる専門性は決まっています。ゲジゲジ人材の出る幕はないのです。

...ただ、それほど悲観しなくてもいいんじゃないかと思います。誰しも、その道のプロ・第一人者にばかり仕事を依頼するわけではないはずですから。

例えば、ある5人でテイクアウト専門の飲食店をはじめるとします。お店をOPENすることを伝えるために「Webサイトをつくろう」となったとき、5人の中で自分だけ過去にWebサイトを作った経験があれば、そのコミュニティの中では自分が5人の中で誰よりもWeb制作に関して専門性を持ち、できる人なんですね。

「関係性の中で仕事を依頼する」ということだってあるわけなので、SNSを通じて仕事が来るーーというレベルを目指さなければ、それなりに楽しく働いていける仕事は見つかると思います(たぶん)。

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ゲジゲジ型人材が価値を発揮するのは、課題がよくわかっていない相手や状況

そしてゲジゲジ型人材が特に価値を発揮するのは、

「なんか最近、調子が悪い」

という漠然とした課題のまま、どこから手を付けたらいいかわからない、何をお願いしたらいいか分からないーーという課題がぼんやりしている相手や状況です。

問題を抱える相手自身がいま置かれている状況が分からず、何が本当の課題で、どこに向かうべきで、何から手を付けたらいいか分からない。そんな、カオスとも言える右往左往している状況こそ、幅広に経験を積んでいるゲジゲジ型人材が価値発揮する絶好の機会なんじゃないかと思います。

その環境で求められるのは、聴く、まとめる、動くの3つの力

現状やめざすべき目的地がぼんやりしているため、まずはまずはじっくり相手の話を聴き、状況を観察すること。

それからその状況を構造的に見える形に整理(まとめる)して、今できる最善の一歩を提案し、ともに実行すること。

聴く:相手の声を聴き、状況を観察する
まとめる:状況や課題を見える化して方向性を一緒に考える
動く:解決に向けてとにかく早く動く

そうやって仕事という機会を捉え、経験を通してゲジゲジのゲジを鋭く深く研ぎ澄ませるのではないかと思います。

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個の時代と言われて、プロジェクトベースの仕事が増えると、専門性のある人は水を得たように動きやすくなる。

けれど、そんな人たちのまばゆい活躍に目が眩んで、自分が見えなくなってしまうのはもったいない。

もう少し近づいてみたり、いつもと違ったメガネをつけてみると、自分の重ねた経験がつくり出すT型以外の文字が見えてくるはず。

もしそれがゲジゲジしてたら、一緒にどうするか考えましょう(笑)

僕は小さなゲジゲジでまとまるのではなく、ゲジゲジらしく、見たらぎょっとするくらいのサイズになれるようがんばります🐛 あとT型人材くらいのネーミングセンスが欲しい。

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