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男性育休が広まれば、妻の産後うつを防ぐことができる?

産後うつになった有名人の方々が、その経験をメディアを通して告白するのを見聞きします。
残念なことに、産後うつが原因で自殺との報道もありました。
何としても、最悪の事態は回避したいものです。

産後女性の死因1位は自殺

妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル」(日本産婦人科医会)に目を通してみました。

産後は10~15%前後にうつ病がみられる。
産後うつ病のリスク因子は、精神疾患の既往、妊娠中のうつ症状や不安、ソーシャルサポート不足などである。
産後うつ病は産後数か月以内に発症し、好発時期は産後4週以内である。
日本においても妊産婦死亡に占める自殺の割合が多い。
母子心中や嬰児殺しの背景には産後うつ病が関連する事例がある。
産後うつ病は、母子関係や長期的な子どもの情緒とその発達に影響する。
女性のうつ病は男性のうつ病に関連し、周産期における男性のうつ病発症は増加する。

と書かれています。

高く見積もれば、7人に1人が産後うつ病になるということです。

国立成育医療センターの調査によると、産後の女性の死因の1位は自殺となっています。

産後うつ病による自殺です。

このような事態に陥ることを避けるため、産後、産婦人科でスクリーニングをしてくださっています。

産婦人科でのスクリーニング

産後うつ病の発生のピークは4週間以内と報告されています。

この報告に基づき、産婦人科では、産後1カ月をめどにしたスクリーニングが行われています。

妻も出産後に病院で質問票を記入していました。

答えた内容から、うつ病の疑いがあると診断されれば、次の段階のケアを受けることになっていたのだと思います。

ピークが4週間以内であっても、産後の自殺は1カ月以内だけに見られるものではありません。

国立成育医療センターの調査では、「産後1年を通して自殺死亡例が見られた」と報告されています。

もちろん、産後のスクリーニングでうつ病と診断される多くのケースでは、治療を受けながら最悪の事態を避けることができるようになることでしょう。

私は医療に完璧を求めてしまいがちですが、もちろん、この世の中に完璧なものはありません。

病院のスクリーニングの流れの中で、何らかの原因が重なり、うつ病と診断されないこともあり得ます。

もし、妻がうつ病になり、その発見が今の医療体制では発見できなかったとしたら、そして、自殺するまでに至ってしまったら。

このように考えるだけでも、自分の気持ちが乱れそうです。

病院だけに、産後うつの発見をお任せする必要はありません。

私が、妻のうつ病を疑えばいいのです。

専門的知識はないものの、妻の心や行動の変化に気付くことはできます。

妊産婦メンタルヘルスケアマニュアルにあるエジンバラ産後うつ病質問票には、

1) 笑うことができたし、物事のおもしろい面もわかった。
2) 物事を楽しみにして待った。

との質問があります。

妊産婦さんは、これらの質問に4つの選択肢から選んで答えます。

うつ病の症状が見られる場合には、「いつもと同様にできた」とは回答しないそうです。

男性育休で妻の産後うつを疑うことができる

産後、私と妻は、生まれたばかりのわが子の話をたくさんしました。

育休を取った次男の産後には、特にです。

私は、疑問に思ったことを妻に尋ねたり、妻が赤ちゃんの何を見て笑ったのかを聞いたりします。

こんな他愛もない日常に幸福を感じて、過ごしていきます。

こんな日常があれば、質問票がなくても、私は「いつもと同様にできない」妻の異常に気付き、産後うつを疑うこともできるでしょう。

反対に、私が仕事で忙しく、妻との会話もできない状況だったなら。

妻の様子をうかがうことはできず、「いつもと同様にできている」と思い込んでしまうことが多くなるでしょう。

私の育休取得は、私を仕事から解放し、時間的余裕を生み出しました。

時間的な余裕があれば、仕事のことを細かく考えることなく、妻との何気ない会話をする時間も生まれます。

男性育休は、単に、妻の家事や育児の負担を軽減するだけではありません。

妻の産後うつを疑うことのできる時間的余裕を生み出してくれると思うのです。



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