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男性育休とった私が素直には喜べなかった上司からの配慮

男性育休「ワタシノコト」シリーズでは、私に関する細かなことをお伝えしております。
私が育休宣言をしたのは、4月1日。
年度初めの人事異動の時に、職場の上司(私の職場で一番上の役職)から発表がありました。
私への配慮がなされた人事。
人事の発表がなされた時に私が感じたのことをお伝えします。

事前に育休取得を上司に相談

妻の5カ月の妊婦検診を終え、安定期に入ったら、私の育休取得について、上司に相談をしようと思っていました。

年度末の3月に予定されていた人事面談と重なりそうなタイミングでした。

ところが、予定されていた年度末に行う私の人事面談が前倒しされました。

2月中旬のある朝、急遽、上司(私の職場で一番上の役職)から人事面談をしたいとの話をいただきました。

そこで、上司との人事面談の場で相談させてもらうことになりました。

上司ご自身から私に伝えたい話がありそうな様子でしたが、私の育休取得についての話に丁寧に耳を傾けてくださいました。

そして、職場で初となる男性育休取得に賛同してくださり、全面的に協力してくださることを約束してくださいました。

上司の深い理解と温かな対応は、私にとって、とても嬉しいものでした。

育休の時期や期間などの具体的な話については、後日、実務の担当者に相談させてもらいました。

2月中旬の上司との人事面談では、具体的な人事の内示を受けたわけではありません。

その後、年度初めに人事異動の発表が行われ、この発表で具体的な担当する役割や業務を知ることになりました。

いつもとは違う人事

年度初めの人事発表の日。

今年度の組織が示されている図、業務の具体的な分担が書かれた資料がメールで送られてきました。

資料に目を通すと、私は前年度まで担っていた業務を外れ、負担の少ない業務を担うことになっていました。

いつもとは違う人事です。

私と入れ替わりで育休復帰する女性と業務を交替できるように考えられている人事でした。

転職後に継続して担ってきた役割や年度単位でプロジェクトにも、私が関わらない人事になっていました。

このようないつもとは違う人事についてのとらえ方は、人により異なると思います。

私の場合、期待されなさすぎるのも嫌ですが、仕事量が少ないならば少ないに越したことはないと思っています。

前年度まで担ってきた業務から外れて負担の少ない業務を担うこと、継続して担ってきた役割やプロジェクトにも関わらないことで、仕事量は確実に減ります。

一方、この人事には納得がいかないと思う方もいるかもしれません。

負担の少ない業務を任せられること、継続して担ってきた役割やプロジェクトに関わらないということは、いわゆる窓際に追いやられたのと同じと感じる方もいると思います。

育休を取得することで人事上の不遇を受けるのであれば、育休を取得せずに、育児をパートナーに任せようと考えてしまうことも理解できます。

システム化されている女性育休による人事異動

私の業種では、年度による区切れが、他の業種よりも強いと思います。

半期のタイミングで異動がおこることは滅多に見られませんし、ある日突然、異動が命令されることもありません。

担当者が年度の途中で変わるより変わらないほうが良い、という考え方で人事がなされています。

育休を取得する場合でも、年度末の人事を考える時期に間に合うように相談したり、年度の切り替えのタイミングで育休から復帰したりすることになります。

もちろん、年度初めには妊娠していなかった、または妊娠を公表できるタイミングではなかった女性の方が、年度途中で産休や育休に入ることがあります。

このような場合、年度途中でその女性の業務を誰かと交代することになります。

さらに、育休に入る方の代わりに臨時職員を採用します。

臨時職員の採用が難しい場合には、パートタイマーとして働ける方を採用して、不足した職員数を補います。

このように、私の職場では、女性の育休取得によって生じる人事異動は、すでにシステム化されています。

いつもと変わらない人事

もし、育休宣言した私の人事が例年通りのものだったら、私はどう感じたのでしょう。

例年通り、すなわち、前年度まで担ってきたのと同じ業務、転職後に継続して担ってきた役割、年度単位のプロジェクトのメンバーなど、いつもと変わらない人事です。

人事発表後、人事面談をした上司(私の職場で一番上の役職)に呼ばれ、今回の人事について話をする機会がありました。

私を前年度までの業務から外したこと、継続して任せてきた役割やプロジェクトなどにも名前を入れなかったことが、育休宣言した私への配慮だったと、上司は伝えてきました。

配慮しようと思っていただいたことはありがたいことだと感じました。

でも、正直、私はこの配慮を素直に喜ぶことができませんでした。

それは言葉になって上司にも伝わってしまいました。

私の口から出てしまった「いつも通りの業務を担い、年度途中で交代することになると思っていました」との言葉。

上司は、少し驚いた様子でした。

いつもと変わらない人事が行われていれば、私は配慮されたと感じたのだと思います。

もしかすると、私と同じように感じる男性の方が多いのかもしれません。

人事を行う側の立場からすると、育休を取得する男性に対し、いつもと変わらない人事を行うことは、とても難しいことなのかもしれません。

でも、いつもと変わらない人事が普通になれば、日本の社会でも男性の育休取得が広まっていく一助にはなると思います。

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