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「サステナビリティは、事業にとってコストでしかない」のか!?富士通SX調査レポート2024 日本分析版公開


こんにちは、富士通 広報 note編集部です。
もはや当たり前と言っても過言ではないSX=サステナビリティ・トランスフォーメーション。「SXって最近よく聞くけど実際進んでいるの!?」そんな疑問をもったそこのあなた!一緒にSXの実態について覗いてみませんか?

気候変動や災害、地政学的な問題など、世の中の不確実性が増している昨今、各企業は、持続可能性を組み込んだビジネス戦略によって経済的・社会的・環境的価値を創出するSXへの対応が一層求められるようになってきています。富士通では15か国の企業などの経営者層600人を対象にした“SXによるビジネスとサステナビリティの価値創出”に対する意識調査を実施しました。
今回は調査の結果を「富士通SX調査レポート2024」として富士通のホームページ上に公開したので、その詳細について、富士通 グローバルマーケティング本部の緒方に突撃インタビューし、わかりやすく説明してもらいました。

まずは今回実施した調査について簡単に教えてください。

今回、世界15か国/11業種の経営者層の方々に、“経営におけるSXの意識調査”をアンケート形式で実施しました。今回の結果は「富士通SX調査レポート2024」として、2024年4月23日にグローバル版を公開し、すでにメディアにも取り上げていただき、多くの方々にご覧いただいています。
また5月15日には、新たに日本市場に特化して分析した日本分析版レポートを公開しました。日本分析版では、日本国内の経営者層230名を含む、世界15か国の経営者層800人の回答をもとに、日本の企業や組織が直面する課題を具体的に明らかにしています。

グローバル版では約1割の企業がSXとビジネスを両立できているということでしたが、日本分析版ではどうだったのでしょうか?

「富士通SX調査レポート2024」の中では、SXの取り組みが大きく進展している組織グループを特定しチェンジメーカーと呼んでいます。グローバル版では、全体サンプル600人のうち11%がチェンジメーカーにあたり、それらの企業・組織は、収益、市場シェア、株価など過去12か月において、より高いパフォーマンスを実感していました。
日本分析版で特定した、日本におけるチェンジメーカーの割合はわずか4%と、残念ながらそのほかの地域と比べて低い水準でした。これは日本のSXの厳しい進捗の表れだと考えられます。たとえば、外部のサステナビリティ目標(第三者機関や政府による基準など)の進捗度について、日本の経営者層の半数以上は「目標を下回っている」と回答しています。

なるほど。日本におけるSXの進捗は他国と比較すると遅れていることが、調査から改めて見えてきたのですね。ちなみに、チェンジメーカーとチェンジメーカー以外の日本の組織との比較で見えてきたポイントについても教えてもらいますか?

本レポートでは、チェンジメーカーとの比較分析から、日本におけるSX進捗の課題が、「SXの動機」と「組織の枠組みを超えたデータ連携」にあると考察しています。
まず、「SXの動機」について、チェンジメーカーはSXの取り組みを長期的な視点で捉えており、短期的な財務上の利益よりも、地球環境や社会への貢献につながる価値の創出に重きを置く傾向があることがわかりました。興味深いことに、その一方でチェンジメーカーは、SXの取り組みと足元の売上や収益への貢献が無関係ではないことを実感しています。
対照的に、日本では「サステナビリティは、事業にとってコストでしかない」という考えがいまだ根強く、取り組みに消極的なようです。
 
次に、「組織の枠組みを超えたデータ連携」について、成熟したデータ利活用のアプローチに支えられた外部組織とのコラボレーションが、SXを加速するのに役立っていることが明らかになりました。チェンジメーカーはSXに関するデータ活用が大きく進んでいて、過半数の51%が、組織の枠組みを超えたデータ連携であり、データ連携の最も高い成熟度である「レベル4」に達しています。この「レベル4」のデータ連携は、デジタル主導型のエコシステムで行われることが多いと考えられます。具体的にはカーボンフットプリントの削減や、持続可能な製品やサービス開発のために行うサプライチェーン全体のデータ共有などが含まれます。これらのデジタル・エコシステムは、複数ソースから得たデータの統合や交換、分析を可能にする共同インフラストラクチャーの上に構築され、それによりあらゆる枠組みを超えたデータの連携や活用が可能となり、SXの取り組みを新たなレベルへ引き上げることができます。これに対して、チェンジメーカー以外の日本の企業や組織で同レベルに達していると回答したのは30%に留まりました。

今回の調査結果を踏まえて、富士通ではどのようなアクションを検討しているのでしょうか?

今回の結果は、ビジネスリーダーがSXに積極的に取り組んでいることを示すものであり、
SXの実現において、「組織の枠組みを超えたデータ連携」が重要であることがわかりました。特にデータ利活用については、膨大なデータから洞察を導き出すことが欠かせないため、AIや量子コンピューティング技術といったテクノロジーを活用した高度なデジタルケーパビリティがカギとなります。

富士通は、「ビジネス・コンサルティング」と「テクノロジー・コンサルティング」を、新たなコンサルティング事業ブランド「Uvance Wayfinders(ユーバンス ウェイファインダーズ)」として展開していきます。

長年お客様とともに培ってきた様々な業種の知見とテクノロジーを融合することで、社会全体の知のエコシステムを創出し、より良い未来を創造するためのパートナーとなることを目指していきたいと考えています。

また、クロスインダストリーで社会課題を解決する事業モデル「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」のもと、ESG戦略立案から、データ収集・可視化・シミュレーション・リコメンデーション、施策立案、情報開示、施策実行まで、データを用いたESG経営をトータルで支援する「ESG Management Platform」の提供により、SX推進を支援していきたいと考えています。

最後に一言お願いします。

今回の調査結果は、チェンジメーカーがサステナビリティの取り組みとビジネス成長を両立できている可能性が高いことを示唆しています。チェンジメーカーの特徴を理解することで、成功への道筋が見えてきたことも心強いと感じています。SX実現に向けて、組織の枠組みを超えたデータ連携が、どのようにサステナビリティとビジネス目標の達成に寄与し、持続可能な未来を支えていくか、そのヒントとしてお役立ていただけると嬉しいです。

「富士通SX調査レポート2024」では、SXの成熟度、14のサステナビリティに関する取り組みの進捗度、SXに対する姿勢や考えがどの程度成熟しているか、などについてまとめています。そのほか、SXと事業成長の両立を目指すために重要な4つのステップと、その取り組みのために当社が支援できることも紹介しています。
気になっていただけた方はぜひダウンロード(無料)してみてください。

調査結果のダウンロードはこちらから

「富士通SX調査レポート2024」

■グローバル版 サステナビリティ・トランスフォーメーションによる新たな価値創造に向けた道筋
(日本語)https://activate.fujitsu/ja/insight/sx-survey-2024/
(英語) https://activate.fujitsu/en/insight/sx-survey-2024/


■日本分析版 厳しいSX進捗状況の打破に向け日本企業が取るべき道筋とは
(日本語)https://mkt-japan.global.fujitsu.com/fj/gmu-cmd/2024/sx2024_sns/input.html


「富士通SX調査レポート2024」の調査概要

  1. 名称: 「富士通SX調査レポート2024」

  2. 実施時期: 2023年11月~2023年12月

  3. 調査対象国: 15か国(英国、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、スペイン、タイ、中国、ドイツ、ニュージーランド、日本、フィリピン、フィンランド、フランス、米国)

  4. 業種: 11業種(建設、銀行・金融、医療・ヘルスケア、製薬、製造、メディア、運輸、公共、流通・小売、技術・情報通信、資源・エネルギー)

  5. あ調査方法:

  • グローバル版:年間売上高5億米ドル以上の企業・組織の経営者層(CxO)600人を対象に、アンケート方式で実施

  • 日本分析版:年間売上高5億米ドル以上の企業・組織の経営者層(CxO)800人を対象に、アンケート方式で実施  *グローバル版の600人を含む

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