感動からは何も生まれない
皆さん、こんにちは。5回目の投稿になります。今回は大学時代にある教授から言われた一言について、自分なりに内省してみました。それではどうぞ、ご覧ください。
教授からの一言
大学二年生の時の事。グループで話し合いをしながら、進めるゼミ形式の講義を受けていました。その講義を担当して下さった方は、学科の中でも面白い話をして下さる方で、講義の内容も興味深く、積極的に質問をする等前のめりになって、受講していました。「個人的にもっと話を聴きたいな」と思っていました。なので、ある日、講義が終わってから、教授の研究室に訪問しました。研究室では、僕の自己紹介をしてから、講義の内容に関するディスカッションや意見を話をしました。そして、学生生活の中身に発展しました。当時の自分は、学外の学生団体で活動していたので、イベントを企画したり、その運営もするといった具体的な活動内容も含め話をしました。すると、教授から一言。
感動からは何も生まれない
言われた瞬間の僕は、ポカーンとしていました。(こんな感じで→( ゚д゚) )更に「イベント一回きりではそこまで変わらないし、一瞬だけ盛り上がって終わりになってしまうよ」と一言追加で言われる始末。感動する事は悪い事では無いんだけど、感動する事自体がゴールだとそこから進展しない事を教授は言いたかったかなと思ったある日でした。
復興五輪としての役割とは
今年で震災から10年が経過しました。10年前の発災当時は小学六年生でした。卒業式の2日前に揺れ、停電もしました。停電は長い間続いたので、その日の夜だけは石油ストーブを使い、暖を取り、過ごしました。震度も4だったので、ちょっと強めに揺れたかなという感触にしか過ぎませんでした。一方で東北地方の太平洋側では大きな被害が出ていました。特に岩手、宮城、福島の3県は甚大な被害でした。建物が倒壊したり、家族を失ったり、原発の影響で避難をせざるを得なかったり、大きな被害に遭われた方々が多数いました。大学の友人と震災の事について、話をする機会があったのですが、彼は数日前に建てた新築一軒家を地震の津波によって、流されてしまった実体験を聴いた事もあります。震災後、自治体や行政が復興に向けての動きを始め、各地で整備が進むものの、震災前の現状復帰にはまだほど遠い部分もあります。原発等の影響で、未だに町に戻って来れない人もいらっしゃいます。
震災の傷跡が癒えていない中、去年の年明けの時期から、中国の武漢で発生した新型コロナウイルス。日本でも蔓延し、経済的な損失は計り知れないものになりました。そして、その影響により、日本で開催予定だった東京オリンピックもまさかの延期になりました。今年開催するという予定で動いてはいますが、果たしてこの状況で開催できるか否かと思っています。昨年公表された予算から2940億円増え、1兆6440億円に膨らんだという話もあります。このまま新型コロナウイルスの影響が収まらないとするならば、色んなケースを想定しなければいけません。外部からの人を入れないようにして、無観客で開催する案も出されましたが、それで元が取れるのかと心配にもなっています。会場は新しいものを次々と造っているので、本当にどうなる事やらと思ってしまいます。復興庁によれば、今回の東京五輪は「東日本大震災から立ち直った被災地の姿を世界に示し、世界中から寄せられた支援や友情、励ましへの返礼となると信じてい」ると述べているそうなのですが、果たして、こんなご時世で世界に被災地の姿を示す事は出来るのでしょうか。
(参考記事:東京五輪、予算を増額 史上最大規模に)
感動からは何も生まれない
今回の東京五輪は復興五輪と位置付けられていますが、この状況で採算が取れる気もしませんし、感動とか勇気を届けるというフワッとした名目もよく分からない感じがします。(別に、五輪自体を否定している訳ではありません。僕自身も、学生時代、かつて水泳に打ち込んでいたから、水泳を見たいという気持ちもありますし……)感動という一瞬の出来事ではなく、長いスパンで考えた時にニーズがありそうな事にもっと、お金をつぎ込んだ方が良いのではないかと思うんですよね。その分、時間はかかるかもしれません。しかし、そういったハードの部分での復興を推し進め、未来を目に見える形で求めている人達に届ける事の方が本当の感動や勇気に繋がるのではないでしょうか。
「感動からは何も生まれない」と冒頭に書きましたが、皆さんはこの一言を聴いて、どのような事を考えたでしょうか。一時の感動や盛り上がりだけに固執していては理想の未来は臨めません。そこに満足せず、本質的に何が必要なのかを被災者はもちろん、周囲の人達も汲み取ってあげないといけませんね。一人一人がそういう意識を持つことから、復興五輪は始まります。
という事で、今回はこの辺で!
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