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12.ハリウッド映画のエキストラを終えて

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2016年9月末から始まったハリウッド映画のエキストラの仕事は、同年の12月中旬ごろまで撮影が行われた。基本的に週5日で、早朝5時過ぎに専用のバスに乗りシドニーシティから郊外の街ブリンジェリーまで行く。

撮影中の宿とご飯

所属しているエージェンシーの力や、エキストラ歴の長い人はほぼ毎日仕事が入っていたが、僕のような新米エキストラは出番がないこともよくあった。だから基本的に撮影期間中は、シドニーシティの中心にあるYHA(ユースホステルオーストラリア: オーストラリア国内の主要な場所にはほとんどあるユースホステルで、普通のバッパーよりは少し高いが、比較的清潔で変な宿泊者があまりいない。)というユースホステルに滞在していた。

自分の撮影日が連続で続く時は、撮影側が現場近くにホステルを取ってくれており、そこに無料で宿泊できた。

撮影中は、美味しい食事も用意されている。朝、現場に着くと、ベーコンエッグやフルーツ、ソーセージにヨーグルトなどが用意されており、セルフサービスで好きなだけ食べることができる。

昼食は、毎日違うメニューで、これもセルフサービスで好きなだけ食べることができた。全ての食事は、現場で料理人が作っていてとても美味しかった。

夕方、撮影が終わると、サンドイッチやフルーツなどが用意されており、持ち帰ることもできた。とにかく撮影中は、ご飯と宿に困ることがなかった。

ハリウッド映画のエキストラの時給

このハリウッド映画のエキストラは時給制で、僕たちエキストラは基本エージェンシーを通しているので、給料はエージェンシーに仲介料を10%ほど引かれた金額が給料として振り込まれる。シドニーの最低時給は18.29AUD(2017年7月の時点)となっているが、エキストラの時給はそれよりも少し高い、約25AUDをいただいていた。

エキストラの仕事は、待ち時間が多く、実際のところ自分たちの出番より待ち時間の方が多かった。もちろん待ち時間も時給が発生しており、1日の拘束時間は、平均すると10時間ぐらいあった。

まあここからエージェンシーの仲介料10%と、オーストラリアの税金32.5AUD(2016年時点)が引かれるので、手取りはそう多くはない。(ワーホリはタックスリターンという制度があったおかげで、1年間に支払った税金が返還される制度があったためこの税金は後に戻ってきた)

傷だらけの撮影現場

僕たちエキストラの仕事は、アメリカ軍との戦闘シーンがほとんどだ。銃を持って走ることが多く、現場は広い荒野、凸凹した地面にそこら中で爆破が起きる。爆風で前が全く見えなくなることもある。そんな中を全力で走るわけだから、全力でこけることもある。とにかく傷の絶えない現場だった。

しかし、カットがかかると現場スタッフの方々が我々エキストラにも水を配ってまわってくれたり、気さくに話しかけてくれたりして現場のムードはすごく良かったように思う。

メンバー全員がプロフェッショナルな仕事をし、素晴らしい作品にしようという気持ちが伝わってきたし、そのためには現場の雰囲気が良いことも非常に重要なのだと感じた。

エキストラを管理している人も、しっかりと僕たちの名前を覚えてくれて、日本語で挨拶してくれたりする。

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