16.正月からオーストラリアのストロベリーファームへGO
1月1日から宿がなく、野宿するハメになった僕。
深夜2時まで空いているマクドナルドでPC開いて日豪プレスのファームの求人を見ていた。
エキストラの仕事が終わってから、オーストラリアでワーホリしている日本人と積極的に会っていたのだが、ファーム経験者の人たちのファーム体験談を聞いているうちに、『ファームで働くのもいいかもしれない』と思い始めていた。
エキストラの仕事が始まる前に、少しだけフラワーファームで働いた経験はあるが、そこは家族経営の小さなファームだっため、もっと広大でいろんな国の人たちと働いてみたいという思い会った。
ちょうどその時、オーストラリアで知り合った何人かの日本人がファームで働いており、ファームの状況などを定期的に聞いていた。
ファームは情報が大事だ。
最近は減ってきているが、悪徳ファームが今もあるのは事実で、実際に悪徳ファームで働いた人の話を聞いたりもしたので、また機会があれば紹介したいと思う。
で、スタンソープというブリスベンから車で4時間ほどの街でファームをしている日本人がいて、その子が『ここのストロベリーファームいい感じだよ』というのを聞いていた。
そして、マクドナルドで僕は決めた。
『よし、スタンソープのストロベリーファームに行こう!今日!』と。
すぐにLINEでそのファームの『コントラクター』という、人を集めたり管理したりする役割の人に連絡を取った。
『明日、そちらのファームに行っていい?』僕
『OK!』コントラクター
めちゃくちゃ話が早かった。
すぐに明日(1月2日)の朝一番の『ブリスベン行き』の飛行機と、『ブリスベンからスタンソープ行き』のバスを予約した。
シドニーの中心地からシドニー空港までは電車で20分ほどで行ける。
朝一の飛行機は午前6時ごろだったため、終電でシドニー空港まで行き、シドニー空港近くのマクドナルドで朝まで時間を潰すことにした。
正月から慌ただしい。
夜中にシドニー空港に到着し、近くにある24時間オープンのマクドナルドで朝まで過ごし、飛行機でブリスベンに飛び立った。
シドニーからブリスベンまでは飛行機で1時間半かかる。ちなみにシドニーとブリスベンでは1時間の時差があるため注意が必要だ。
ブリスベンからスタンソープまではバスで4時間ほど、ちょうど昼ごろにスタンソープに到着する。
スタンソープのバス停まで、連絡を取ったコントラクターが迎えにきてくれることになっていた。
スタンソープのストロベリーファームの実態
スタンソープ行きのバスには、明らかにファームで働くだろうという日本人が数名乗車していたが、ほとんどはスタンソープの手前の『コットンベール』という停留所で下車した。
そして残ったのは、僕と日本人男性がもう一人、あとはスタンソープに住んでいそうなオージー達だった。
スタンソープまでやってきて、指定されたバスの停留所で僕ともう一人の日本人男性が下車した。
『もしかしてファームですか?』僕
『あ、はい、そうです』シン
『もしかしてこのコントラクターの?』僕はスマホを見せる
『あ、そうです、シンと言います』シン
どうやら彼も同じファームに行くために、ここで同じコントラクターと待ち合わせをしているようだ。
一人じゃなくてホッとした。
シンとはこの先のファーム生活を共にすることになる。
シンとバス停で立ち話をしていると、僕らの前に一台の車が止まった。
少ししてLINEがきた。
『今バス停の前で待ってるよ』
今目の前に止まっている車がどうやら僕らのコントラクターで、車から人が降りてきた。
『ハロー』
金髪のボブヘアーで、ホットパンツにTシャツの、ギャルみたいな女の子だった。
完全に男だと思っていたので、女の子だったので驚いた。しかもギャルみたいだったのでさらに驚いた。
コントラクターの彼女は、『サン』という韓国人だ。
ファームのコントラクターと呼ばれる職種の人は、何故か韓国人が圧倒的に多い。
コントラクターは、ワーカーを集めて給料などを管理しており、給料からマージンを天引きしている。
つまり、とにかくワーカーを集めて、たくさん稼いでもらう事で彼女の財布が潤うと言う仕組みだ。
さて、彼と一緒に車に乗り込んで軽く自己紹介したあと、ファームに必要な物品をスーパーへ買いに行った。
ファームで必要なものとは、ブランケットと枕(ベッドはあるが掛け布団と枕がないため)、農作業用の薄手のビニール手袋、1週間分の食料と水だった。
ちなみに、この買い物と、ファームのレント代1週間分(宿代)、宿のデポジット(レント代の2週間分)これらを支払うと、僕の所持金は400ドルぐらいしか残らない事が発覚した。
ちなみにシンも、ほとんど金を持っていないようだった。
とにかくファームで稼ぐしかない!
コントラクターの車でファームまで移動している途中、これから働くファームのことを話してくれた。
『あなた達ラッキーね!もうすぐビッグシーズンくるから、めちゃくちゃ稼げるよ!』
僕たちは期待に胸を膨らませた。
ファームに到着した。
まずは、僕たちが寝泊まりする宿に案内された。
ここは、ファームの敷地内にワーカーの宿泊施設があるため、わざわざ家からファームまで移動する必要がないのだ。
【続く】
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