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編集の未来と原点について考えるシンポジウムに行ってきた

日曜日には会社のある神保町まで歩いて、シンポジウムを聞きに行きました。

本の学校というのはNO法人で本の未来を考えるために色々な活動を行っている組織で、鳥取県米子市の本屋さんが始めたんだそうです。それが日本中の出版関係者を動かし、今では多くの方が個人の立場で参加したり、東京本部を運営したりしているらしい。

私は、寡聞にして初めて知りました。詳しくはこちらから。

で、今回シンポジウムに行ったのは、noteの運営会社であるピースオブケイクの加藤CEOが登壇されるからです。

新しい出版──編集の未来と原点を語る
コンテンツ配信サイトcakesと、クリエイターと読者をつなぐメディアプラットフォームnoteを展開し、広告収入以外の事業モデルを確立して、成長を遂げているピースオブケイク代表の加藤貞顕氏。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』や『嫌われる勇気』『漫画君たちはどう生きるか』の3つのミリオンセラーを編集し、立ち上げた新会社STOKEでは「教育」×「出版」の分野も編集していく柿内芳文氏。数々のヒットを生み出しながら、常に新しい挑戦を続けるふたりの原点には「編集」があります。最前線で活躍する二人に、「編集」の未来と原点を語っていただきます。
パネリスト●加藤貞顕(ピースオブケイク代表取締役CEO)、柿内芳文(編集者/STOKE代表取締役)

一緒に登壇するのが古賀さんの話にもよく出てくる柿内さんというのもそそる。この記事で、二人の登壇イベントの書き起こしを取り上げました。

これも素晴らしい対談なのですが、今回も良かった。

加藤さんと柿内さんの対談は、本当に頷けることばかりで、また、二人が編集したホリエモンの「ゼロ」の裏話に始まって、加藤さんがダイヤモンド時代に手がけた「もしドラ」を電子書籍化したアプリを作って売れたけど、この先に未来はないと思ってピースオブケイクの設立に至った話とか、柿内さんが「さおだけ屋はなぜつぶれないのか」を編集するきっかけは、山田さんの自費出版本を当時の編集長に渡されて読んだからとか、へーへーへーな話がいっぱい。

詳しい事は書きませんが、目の前の仕事に真剣に打ち込んで、それを完遂した先に見えてくるものが、全く違う二人なんだということがわかり、実に興味深かったです。

その中で、自分が参考になったところをいくつか挙げてみます。

柿内さんが、まず、それが社会になぜ必要か定義しないと、その先でブレたときに戻る場所がなくなる、という様なことを指摘したのは、前から自分が考えていたことを言語化してくれた気がして嬉しかった。

定義が定まらないと弱い、つまりコンテンツにならない、というのが柿内さんの行動原理なんだなと。

会場からの質問に答えて「コンテンツとは強度のあるもの」「クリエイターの才能が強さをもって形になっているものがコンテンツ」。そうでないものは、どれだけヒットしようが自分にとってはコンテンツではない、と言い切ったのが潔かった。

加藤さんは、同じ質問に、コンテンツかどうかは、記事にイノベーションが入っているかどうかだと答えました。

ネット上には流通にディストリビューションとファイナンスがない。取次と書店という仕組みがある本の流通に比べて、同じ情報の再生産であってもお金を産む桁が低いのは、そのせいで、個人がアフィリエイトやページビューで儲かったという様な金額は、小説が売れたとか雑誌が広告で儲けてきた金額に比べれば桁がいくつも下なんだ、という指摘は、眼から鱗というか、近視眼的になっていたなと自分を恥じました。

だから、コンテンツとITの両方がわかっている人が、このネットの問題を解決するしかない、と思って起業したと言うピースオブケイクの創業原理を聞けたのも良かった。

これが2000円(もう1本シンポジウムも聞けた)と言うのは、1時間半の映画を見るよりも、自分にとっては値打ちがあるコンテンツでした。

こう言う自分への投資を最近してなかったので、改めて、きちんと生きようと思い直し、この後の交流会には参加せず、友人とご飯を食べるために武蔵小杉に向かったのでした。


サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。