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お金をかけない中小製造企業のデジタル化(DX)ノウハウを無料公開する理由〜クラウド働き方改革のススメ8〜

クラウドサービスが誕生して早15年。サーバーレス、モバイルファースト、DX(デジタルトランスフォーメーション)など、流行り言葉はいつも業務全体の一部だけを切り取り、それで会社が最適化されたという話をほとんど聞きません。

なぜこんなにデジタル技術を使った、業務の最適化が進まないのでしょう?

それは「デジタル化で業務全体を最適化させるには、大きなお金がかかるため」ではないでしょうか?

2020/11/18に行われたクラウド実践大賞岡山大会で登壇した時の動画がアップされていました。フジイ印刷は奨励賞でしたが、伝えたいことはお伝えできたと思います。 https://youtu.be/nb1VmBIkFuw?t=6388

システム会社はパッケージサービスを売る

システム会社などデジタル化を推進する側は、会計や販売管理、SFA、プロジェクト管理など、業務の一部のみを最適化する、パッケージサービスしか提案しない傾向があります。

それはある意味当然と言えます。システムに自由度があると手離れが悪いので、売上を増やせません。またパッケージ化しようとすると、サービスは一部業務に汎用特化したものにせざるを得ないという実情もあるのでしょう。

しかし、業務の一部のみを最適化しても、どこかに業務が停滞するボトルネックが生じるため、全体としては大した効率化は達成できません。そして、業務全体を最適化させるには、同じシリーズのパッケージサービスで統一してくださいと提案されます。

ただ、それには大きなコストが掛かります。大きな会社ならそれも可能でしょう。しかし数十人の規模の会社で、デジタル化に1000万円も掛けられるでしょうか?

だからデジタル化に大きなお金をかけられない中小企業は、業務を部分的にしか最適化できない。

システムを売らない会社だから出来ること

私たちは地方の従業員10人の小さな印刷会社です。そして私が入社する前、パッケージ型の会計・仕入・販売管理システムを約600万円で導入していました。接続ライセンス数3人の最小プランです。

そのシステムが7年前にサーバーのリースアップを迎えました。提示された更新費用はサーバーだけで200万円。ソフトは含みません。

「システムを全て更新したら会社が潰れる」

そのとき、そう直感しました。

そしていろいろ調べてみると、Windowsサーバーで運用しているシステムはどれも高額だとわかりました。さらにパソコンも人数分更新すると高額です。

「Windowsサーバーとパソコンを使わず、業務を行うやり方はないか?」

敵がわかれば、解決の糸口も見えてきます。このとき思いついたのが、パソコンを置かず、iPadだけで事務を行うというコンセプトでした。

私たちの主な業務は「事務」に関する印刷です。システムから出力される用紙や、それだけではカバーできない手書き伝票を印刷しています。

そのため「社内業務は手書き」という風潮もありました。しかし、手書きをするために残業するのでは本末転倒です。

また、これからこの仕事がデジタル化でどうなっていくのか、いち早く見極めたいという思いもありました。

幸い私たちはシステムを売っている会社ではありません。ならトコトン、お金のかからないサービスを組み合わせて、極限まで業務全体を最適化してみよう!

そう決意してスタートしたのが、既存のパッケージサービスのFileMaker+iPadへの引越し(外注自前開発)でした。

お金をかけない業務のデジタル化ノウハウを公開する理由

スタートから7年。事務ゼロプロジェクトと名づけたデジタル化の推進で、今年ようやく事務職0人(現金を扱う自分の業務は除く)を達成する目処がつきました

ここまでやってみて、小規模な会社ほど人数あたりのデジタル化コストが高かった7年前に比べて、逆にクラウドサービスなどを上手く活用すると、小規模な会社ほどお金をかけずに様々な業務を最適化できることがわかってきました。

このノウハウを公開すれば、私たちが経験した範囲で回り道せずに、同じような環境の会社で、業務のデジタル化を進める役に立てるのではないか?

そんな気持ちで、これまでの取り組みについてnoteに連載してきました。


コロナ渦で暇になった今だからこそ、もっと暇にしよう!

そんなときに起こった変化が、新型コロナの影響です。

私たちの業務でも、少し遅れて売上の20%が消えました。工場は時間余りなので、さらに効率化しなくても残業ゼロで時間も余ります。

しかし、消えた売上を補う新規事業を生み出すには、時間はいくらあっても足りません。

なぜなら創造的な仕事をするためには、雑務から解放されたまとまった時間が不可欠だからです。

3月から会社のレイアウトを大きく変更して、朝みんなで新商品・新サービスの話だけをする、アイデアミーティングの時間を40分に拡大しました。

出来ればもっと拡大したい。だから、もっとデジタル化による最適化を進めたい。

コロナ禍で暇になった今だからこそ、もっと暇にしよう!

そして、構造的に世の中から求められなくなった仕事から、本当に必要とされる創造的なモノやコトを生み出す仕事に、みんなの力をシフトさせよう!

そんな意味での、本当のDX(デジタルトランスフォーメーション)の足がかりに、今までのnoteで公開したノウハウがなってくれたら嬉しいです。

でももし可能なら、同じ気持ちの人たちとノウハウを共有していけたら、なお嬉しいです!

またクラウド実践大賞岡山大会にも登壇し、発表させていただきました。

↓その時の動画が公開されています。 

お金をかけない中小企業デジタルノート

そんな思いもあって、今回テスト的に「お金をかけない中小企業デジタル化ノート」をスタートしてみることにしました。

noteのサークル機能が有料なので、medyというブログとメルマガを合体させたようなサービスを見つけたので、そちらで最新情報は発信していきます。

【サークル名】
お金をかけない中小企業デジタル化ノート

【URL】メールアドレスだけで無料で読めます。

https://moneyless-dx.medy.jp

■中小企業がお金をかけずに業務のデジタル化を進めていくノウハウを共有するノートです。 

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