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テレワーク・リモートワークはビデオチャットとストレージだけ?〜クラウド働き方改革のススメその4〜

テレワークの生産性

テレワークやリモートワークの導入には、ZOOMなどのビデオチャットとデータを共有するクラウドストレージがあれば何とかなるという雰囲気がありますが、それだけでは生産性を犠牲に無理矢理やるだけなります。

テレワークの実践には、現状の業務と在宅での業務が、出来るだけ同じ環境で行える環境の工夫が事前に必要で、決して顔を見て話が出来て、データがやり取りできればテレワークで業務が行えるわけではありません。

デザイン現場でのテレワーク

以前会計関係のフローについては詳しく説明しましたが、今回は印刷会社でのデザイン制作業務について書いてみたいと思います。

印刷のデザインについては、現在ある程度のメモリを積んだPCでIllustratorというソフトで行うのが一般的です。この業務を外部で行う場合、PC自体を持ち帰る必要があります。

自宅PCにadobeCCのダウンロードで環境を整えるという方法もありますが、本社業務のPCとの相互環境確認が必要になり、実際の印刷業務では現実的ではありませんのでしたので、ここではネットにつないでいないPCを前提でお話します。また作業環境をネットから切り離すことで、データの流出も防げるというメリットもあります。

クラウドデザイン制作とクラウド校正のフロー

さて、自宅にPCを持って帰って作業を行うにあたって検討すべきステップが2つあります。それは原稿共有と校正作業です。まず原稿は主に手書きなどで書き込みの入った修正やデザインや、レイアウトの指定が入った紙の指示書になります。これを共有する方法は2つ。メッセンジャーアプリの写真送信、またはページが多い場合はスキャンしてPDFにしたデータをクラウドストレージで共有する方法です。

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私たちはGoogleハングアウトやドライブ、Boxなどを使っています。これについては、いわゆる一般的なテレワークの手法です。しかし、これを修正後にチェックする校正作業では工夫が必要になってきます。

問題点としては、紙に出力してから赤ペンで修正箇所の確認を行うほうが作業が早いということと、デザインPCから社内サーバーや校正端末へのデータのやり取りが煩雑ということです。

上の図は当初の計画図フローですが、PDFの注釈機能を使う予定で、ネットにも接続されているのが前提となっています。

現在フロー改良後は、校正は廉価版のiPadとApple pencilを使った赤入れし、デザイン作業ではスタンドアロンのデスクトップPCをそのまま持ち出し、ネットでやり取りする作業は別の小型ネットPCで行うことになりました。

※4/4 赤入れと差分データの表示には、注釈検索が出来るPDF expertの方が有効だと分かりました。

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またフローに書かれている通り、作業はクラウドサービスを使うことで通常業務もスムーズになるよう、社内のファイルサーバーを安全に全文検索とネット経由のデータのやり取りができるシステムFileBlogを導入したり、Acrobat Pro DCの機能を使った新旧データの差分表示、また製造基幹システムへの安全なアクセスFileMaker serverなど、様々な工夫を行いました。

テレワーク実践導入には工夫が必要

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このような工夫の積み重ねにより、日々の業務もクラウド活用でかなりアウトソーシングや自動化が進み、自然にテレワークやモバイルワークを行える環境が整ってきました。

ここ1週間ほどで急にテレワークを推進する動きが盛んになってきていますが、日常の重要な業務を外部で行うには各環境に合わせた工夫が必要になります。私たちが今まで行ってきた工夫がどなたかのお役に立てれば幸いです。

いただいたサポートは、さらなる研究のために使わせていただきます。わかった情報は出来る限り公開、発信していきます。