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国際マウンテンランニング連盟への寄稿とSTORY5 日本語版

国際連盟への機構も今回で5回目。後半戦に突入した。担当アスリートそれぞれにテーマをある程度割り振られて書いているが、こうして綴っていると、触れておきたいレースのことや旅の思い出などがどんどんと湧き上がる。

今回触れたのは「アジアから参戦する際の難しさと2019年にアルゼンチンで行われた世界選手権」について。過去記事と英文、そして最後に日本語原文を載せているので合わせて読んでください。

STORY1

STORY2

STORY3

STORY4

寄稿記事

日本語原文

STORY5 「アジアから参戦して見えたワールドカップの印象」

マウンテンランニングはヨーロッパのスポーツだ。渡航の際にいつも感じている。

かといってそこに不満があるのではない。熱い応援、しっかりとしたコースマーキング、山を走っている際のランナーへの理解、会場の街で滞在している時のランナーへのリスペクト。旅の苦労はあるけれど、ヨーロッパではスポーツが文化を飛び越えて生活の一部であることを強く感じる。僕はこれに憧れ惚れ込み、だからこそ毎年通っている。

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日本に住む僕は地理的にいって大変に不利だ。移動が1番の理由だ。移動にかかる時間と費用はやはり馬鹿にならない。加えて、短期滞在が多いので時差に馴染むのに苦労するし、慣れた頃には帰国…なんてこともしばしばある。けれども、それを差し引いても魅力あるスポーツだと僕は思う。繰り返しになるがだからこそ、毎年通っている。

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ヨーロッパの地理的特性を考えたときに、アフリカの選手が多いのは地理的な関係が大きいと思っている。南北の移動であれば時差の影響は少ないし、オーストリアではケニア人選手のキャンプを作り、彼らはそこで平日はトレーニングや市民ランナーと交流し、週末になると各地のレースに出場し賞金稼ぎをする。ここにいるランナーはロードの選手もいるが、とても面白い取り組みだ。

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ここ数年の変化としてアメリカ大陸でもワールドカップレースが行われるようになった(注:pikes peakのレースがロングディスタンス世界選手権として開催されたこともある)。ヨーロッパのレースも何名か参戦し、僕も参戦した。19年の世界選手権は南米アルゼンチン開催であった。どちらも僕にとっては大きな移動を伴うがW杯レースが世界に広がることは競技の普及にとって大切だと思う。

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余談ではあるが、アルゼンチンへの渡航は苦労した。アルゼンチンでストライキが起こり、飛行機が飛ばず丸々2日足止めを食ったのだ。そのため、僕はレース前夜の開会式が始まるタイミングで到着し、慌ただしく過ごした。こうしたことは、大陸間移動をたびたび必要とする僕が抱えるリスクの1つだ。レースの大半が行われるヨーロッパ圏に住んでいれば、仮に飛行機が飛ばずとも代替交通手段で移動することも大いに考えられるからだ。

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では、大変なことばかりだろうか?
僕はそんなことはないと思っている。大抵の場合、日本から来たというととても驚き(ヨーロッパ圏に日本人と住んでいると考えるらしく、レースを走るために渡航してきたことを伝えると本当に驚かれる)、そして、心から歓待してくれる。街を歩いていると声をかけてくれるのはもちろん、買い物などに出ると気さくに声をかけて来て、宿まで乗せてくれたり。カフェに行くとご馳走されたり、レース後には色々なお酒を振る舞っていただいたりと小さな活動かもしれないけれどあちこちで国際交流を重ねている。僕はお酒は強くないが、歓待されているのがよくわかるので可能な限り一緒に過ごすようにしている。こんなに幸せな機会はそうそうあるもんじゃない。

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僕の名前は藤雄(ふじお)。発音が同じなので分かりやすく「富士山のふじ」だよ。と説明する。(厳密には漢字が違うのだが)。なので、「フジオ」「フジ」と呼ばれることが多い。ついで、「日本人」「日本」だ。なんだか知らないけど、今回は我々のまちの大会に日本から走りに来た奴がいるらしいぞ。そんな具合で知ったのだろう。だから、「日本人!」「日本」と言われることもしばしばだ。特にレース中は名前と同じくらい、「日本」「日本人」と言われるととても嬉しい。コース中に出場選手の国旗が飾ってあることがあるがその中に日本国旗を見つけたときもこれまた嬉しいし元気が出る。だから、僕は日本人として恥ずかしくない振る舞いを心がける。

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選手、オーガナイザー、国際連盟の関係者、そして地域の人々と皆親切だ。決して大きくないスポーツだからこそ、距離が近く、コミュニティが温かい。これはマウンテンランニングの持つ財産だと思う。困ったときは誰かに相談すれば必ず力になってくれる。エントリーのこと、移動のこと、宿のこと、なんでもだ。アジアではまだ浸透していないマウンテンランニングだが、空身で山を走るという全員が対等の条件で勝負をする。シンプルでそしてとても魅力的なスポーツだ。もう数回に渡り僕の経験や未来への思いを綴るのでぜひ次回も読んでほしい。

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【今後の予定】
7/25(日)   赤ちゃんから聞ける小さな小さな音楽会(第1部)と子どもも大人も一緒に学べる音楽会(第2部)
8/28(土)   Duo Espoir 20周年記念リサイタル
9/26(日)第6回NAGANO Jr TRAILRUN in 富士見高原
*一般の部RUNNET(e-moshicom)からもエントリーできます。
10/10(日)トレイルシンポジウム2021
10/17(日)第13回TOKYO Jr TRAILRUN兼-U15ジュニアトレイルランチャンピオンシップ10/31(日)第7回YAMANASHI Jr TRAILRUN in 武田の杜 
11/7(日)逗子トレイル駅伝2021兼U-12ジュニアトレイルランチャンピオンシップ

「RUNNING ZUSHI」
逗子市内池子の森自然公園内400mトラックを拠点にしたランニングチームです。
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2021-05-12 07.45.23のコピー


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