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頭痛キャラメル 第七話【お嬢様育ちのおばあちゃん】

母方のおばあちゃんは、小学生の僕に、なぜだか、よく謝っていた。「おばあちゃんは、知らないことが多いからね、ごめんね。」と、謝っていた。僕は、心のなかで、「おばあちゃん、そんなことで、謝らなくていいよ。」と思っていたが、おばあちゃんは、ことある毎に、僕に謝っていた。でも、おばあちゃんは、僕の母親を育ててきた、立派な大人だし、僕なんかより、いろんなことをいっぱい経験している。それなのに、謝るおばあちゃんは、きっと辛い経験があって、それを引きずっているのだろう。

おばあちゃんは、とっても裕福な家の子供だったことから、ことある毎に、何もできないし、何も知らないと、起こられた経験があるのかもしれない。おばあちゃんがかわいそうになってきた。

僕は、当時、それを察知することができなかった。あのとき、「おばあちゃん、大丈夫だよ。」と、抱き締めてあげれば良かった。

しかし、おばあちゃんは、もう天国にいってしまった。

おばあちゃん、ごめんね。



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