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庵野監督のこれまでとこれからと

 4月16日、色々と制作活動に勤しむ合間を縫って、あべのハルカス美術館で開催されている、庵野秀明展に行ってきました。

 「エヴァンゲリオン」シリーズや「シン・ゴジラ」などでよく知られる映像作家、庵野秀明監督の、これまでの人生や関わっていた作品、そして、これから発表される作品までを、余すところなく展示した展覧会です。
 エヴァやゴジラはもちろん、5月13日に公開される「シン・ウルトラマン」も楽しみにしているのと、貴重なアニメ資料や特撮ミニチュアの保全をしている、アニメ特撮アーカイブ機構の資料を見ることが出来るということなので、この機会を逃すわけにはいかないと考え、開催初日に来たというわけです。
 未だコロナが猛威を振るう中でも、多くのファンが列に並んでおり、初日から大盛況といった感じでした。
 さて、列に並んで入場すると、庵野監督の肖像画や仮面ライダーのスーツを身に纏った若い頃の写真、帰ってきたウルトラマンの飛び人形や東宝特撮のポスターが出迎えてくれます。

 1章「原点、或いは呪縛」に進むと、庵野監督の実家にあったというミシンとともに、庵野監督が幼少期から観ていたアニメや特撮作品の資料が、所狭しと展示されていました。
 これらのほとんどはアニメ特撮アーカイブ機構で保存されているであろう貴重な資料であり、これらを間近で見ることができます。

 途中には、縦3m×横15mのスクリーンがあり、庵野監督が敬愛する数々の作品の予告編やオープニングが映されており、東宝特撮や東映、円谷プロ作品は当たり前、テレビアニメや人形劇、果てや岡本喜八監督の「肉弾」の予告まで流れていたのが印象的でした。

 2章「夢中、或いは我儘」では、監督自身の自主制作映画からダイコンフィルム、ガイナックス時代に関わった作品の資料が展示されいます。
 特に自主制作映画時代やダイコンフィルム時代の資料には、書籍でも載ることが少ないものも多く、実際に制作されることがなかったダイコンフィルム版「サンダーバード」「仮面ライダー」「マイティジャック」の、庵野監督直筆のデザイン画を見ることができました。(写真撮影は禁止)

 3章「挑戦、或いは逃避」では、「新世紀エヴァンゲリオン」以降の作品を中心に、「シン・ゴジラ」や「エヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズに関する展示がされていました。

 さらに、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」でアングルを検討する際に使われた、エヴァ格納庫の廃墟とケンスケの家のミニチュアも展示されております。
 お手持ちのカメラやスマホで、映画とは違うアングルを探してみると、新しい発見があるかもしれません。

 4章「憧憬、そして再生」では、公開間近の「シン・ウルトラマン」の雛形人形や小道具、現在製作中の「シン・仮面ライダー」で使われた粘土原型などが展示されています。
 展示品の上にあるスクリーンで予告も上映されており、二作品に対する期待がさらに高まりました。

 今回の展覧会で、庵野監督の創作の原点を見ることができ、自分の人生だけでなく、これまで観てきたアニメや映画などを振り返ってみたいと感じました。
 そうすることで、何か新しいものが生み出せるような気がします。

 庵野秀明展はあべのハルカス美術館にて、6月19日(日)まで開催しております。
 時より展示品の入れ替えや追加がされる可能性もあるそうなので、何度も足を運ぶのもいいかもしれません。
 また、7月8日(金)~9月4日(日)には山口県立美術館、9月23日(金・祝)~2023年1月9日(月・祝)には新潟県立万代島美術館で順回展が予定されています。これ以降も追加巡回を順次調整中だということで、是非ともお越しください。

 ここから、新しい創作の第一歩が始まるかもしれませんよ。

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