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グリースペンシルで光学作画をしてみよう。

 Blenderにはグリースペンシルという、3D空間に絵を描くことができる機能があります。
 多くのBlenderユーザーはこの機能で2D作画アニメーションを制作していますが、実写への合成もできるコンポジット機能と組み合わせれば、アレができるのではないかと思い立ちました。

 そのアレとは、光学作画のことです。

 光学作画とは、昔の特撮映画でよく使われていた、手描きアニメーションで怪獣が発射する光線や電撃、雷などを表現する手法です。キングギドラの引力光線やウルトラマンのスペシウム光線が有名な一例でしょう。
 それこそ当時は紙とペンでアニメーションを描き、フィルムに焼き付けるという大掛かりな作業を必要としていましたが、ここで必要なのはBlenderと、パソコンとペンタブのみ。
 その上、描き方によっては合成ソフトにある素材をそのまま貼り付けて合成するのとは全く違う、オリジナルの光線や電撃を表現することができます。
 それでは早速、グリースペンシルによる光学作画をしてみましょう。

 Blenderを開いたら、「2Dアニメーション」をクリックし、このように2D作画ができる状態にします。

2Dアニメーションのタブ

 基本は左上が「ドローモード」になっていると思いますが、前準備のため、「オブジェクトモード」に変え、右横の「シーンコレクション」にあるカメラをクリックします。
右横のレンダープロパティにあるカメラのオブジェクトデータプロパティ(カメラのマーク)をクリックし、「下絵」にチェックを入れ、下絵になる画像か動画を取り込みます。(動画になると、下記のように「フレーム」「開始」「オフセット」に、使用する動画の秒数や再生開始をコマ単位で打ち込む場合があります。)
 これで、動画を元にアニメーションを描くことができるようになります。

カメラの下絵

 同じく右横のレンダープロパティの「フィルム」にある「透過」をチェックし、それができたら、シーンコレクションの「ストローク(Stroke)」を選択して「ドローモード」で描いていきます。
 右下に現在のフレーム数を表す数字があるので、黒のペンで一枚作画したら、一コマ進めてまた作画。これを必要な秒数まで繰り返していきます。
 電撃を作画する場合は、「ストローク」の「ランダム化」にチェックを入れ、「ジッター」の数値を上げれば、電撃のようなギザギザの線を描くことができます。

ストロークを調整して、お好みの光線を描こう!


 こうして地道な作業をしていくことで、光線の基となる、黒い線のアニメーションが徐々に出来上がっていきます。

 作画が完成したら、コンポジットモードに移ります。

コンポジットモード

 下絵で使用した動画とレンダーレイヤーにある作画データを、ノードを組んで合成しましょう。
 「ぼかし」とカラーにある「ミックス」の「スクリーン」を上手く繋げるのがコツです。
(今回、下絵の映像が4Kだったので、「トランスフォーム」で半分ほど小さくしています。)

「スクリーン」の色はお好みで

 このようにノードを組むことができたら、出力プロパティで動画の出力場所や方法を入力し、「レンダー」の「アニメーションレンダリング」をクリックしてレンダリングします。

出力はMPEG-4がおすすめ

 これで作業は完了です。レンダリングが終わったら、映像を確認してみましょう。

 僕の場合は、電撃の動きが早くしすぎてしまいましたが、電撃の作画をうまく背景の映像に馴染ませられたように感じています。
 どのように動かしていくかを研究していけば、これまでの特撮映画にあったような光線を描けるかもしれません。

 みなさまも是非、挑戦してみてください。

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