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[山笑う] の つづき



前回、[山笑う]という言葉にまつわる話を記事にした、そのきっかけは
先日の出店に行ったその帰路で、やや疲れをまとっていた身で休憩の為に立ち寄ったサービスエリアにて、手書きの文字でしたためられていた文章を
見かけた事でした。


[山笑う]この言葉を、長らく忘れていました。


かつて数年に渡り、この時期、丁度今頃の時期に飛来する蝶の観察の為に
毎年欠かさず山へ入り、写真を撮っていました。


360度、視界に入るものは全て、自然。木々、土、空、そして草花。
その中を、時折はらはらと飛ぶ蝶。


今回たまたま立ち寄ったサービスエリアで見かけた[山笑う]の言葉から
そのかつて幾度も目にしていた、この時期ならではの、まさに[山笑う]の
光景をしみじみと思い出したのです。

淡く柔らかな色調の緑色。その無数の葉からもたらされる、今この時だけのハーモニー。

それは、まさに[山笑う]


その風景を見ているこちらの気持ちも、ゆっくりと笑いが溢れるような
心がゆるりとほぐれていくような、そんな光景だったと。


桜の開花と同様に[山笑う]その情景も長く続くものではなく、この時期だけ今だけの限りのある情景であり、日を追うごとに今度は初夏へと向かい
葉の色は少しずつ少しずつ、その緑、青さを増して行きます。

それはそれで、もちろん魅力的な光景ではありますが、私は[山笑う] 
今この時期のその情景が好きなのだ、とても好きだったのだということ
そして、それを表す[山笑う]という言葉にも、とても好感を抱いていたのだという、その想いを、いつのまにか忘れてしまっていました。


これも持って生まれた性格の為、ということにしておきたいのですが
目の前にある、やるべき事・やらなければならない事・やりたい事、
そういうものに囚われのめり込んでしまうタチですが、
出店のように日常とは大きくかけ離れた場所へ自らの心身を運んでゆく事でいつのまにか閉じてしまっていた記憶の蓋がポン!と開く、そういう
[よいきっかけ]になることもあるのですね。


[山笑う]この好きな言葉と、この時期の情景を忘れないようにしたいもの
です、メモメモ🗒



追記・巻頭の写真は、桜が笑っているように見えるでしょうか☺️