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自分の仕事について家で共有する

以前の投稿で、小学生~高校生対象にした「大人になったらなりたいもの」アンケートの調査結果で、1位が「会社員」だったということを取り上げました。そして、次のようなことを考えました。

・リモートワークを含めて働きやすくなった・より子どもにとって会社員の親が身近な存在になったことが、選ばれた要因のひとつではないか

・会社員として具体的に何をするのか、仕事のイメージが持てている子どもがいる一方で、リアルなイメージが持てておらず漠然と「会社員」と答えている子供もいるようだ

私が小学生だった頃も、親の仕事が「会社員」というのは認識していましたが、親が毎日会社に行って具体的に何をしているのかは、あまり分かっていませんでした。一般的にもそういうものだし、周囲の同級生も同様だったと思います。

長男に聞いてみたところ、やはり「私が何の仕事をしているのかはわからない」という回答でした。「医者」や「学校教師」、あるいは会社員でも「自動車をつくっている」など子どもがよく知っているものであれば、子どもにとってもどんな仕事なのか想像しやすいでしょう。一方で、私のような、形のないことを仕事にしている場合は、特に想像しにくいものになります。

そんなことを考えながら、ひとつの問いが浮かびました。

子どもに対して、自分の仕事がどんな仕事なのかを伝えようとしてきただろうか

この問いに対して、伝えるという行動がほとんどできていないという振り返りに至りました。前回までの投稿で取り上げた万松青果株式会社の事例では、社員の仕事について家族がよく理解しているであろう点も印象的でした。一方で、現状の私はそれに遠い状態だという振り返りです。自分の子ども時代よりも職住近接で仕事ができる環境なのですが、仕事について伝えることがなかなかできていなかったわけです。

自分の仕事について伝えるといっても、「コンサルティング会社に勤めていて・・」「いろいろな会社が取り組むことを一緒に考えるようなことをやっていて・・」などと説明するだけでうまく理解が進むものでもなさそうです。具体的にどんな人と会ってどんなことを話したり決めたりしているのか、見聞きしてもらうのが一番だと思いました。

そのように思い立って、5月下旬~6月上旬までを「長男に対して、仕事で関わる人に会ってもらう週間」としてみました。東京で予定されている会食や情報交換の機会で、私の自宅でできるものはすべて場所を自宅にさせていただき、時間の一部で長男も一緒に食事をしてもらったわけです(その間は、特定の固有名詞や秘匿情報に関する話は出さないようにして)。

これが効果てきめんでした。

普段どんな人と会って何を話しているのか、(実際のプロジェクトなどではないため)限定的とはいえ具体的な場面を共有することで、仕事の様子がなんとなくイメージしやすくなったようです。自宅で行うこともあるオンライン会議の様子を遠目に見ることで「仕事の会議をしているらしい」というのは長男にも分かりますが、やはり直接会って話すことでこそ伝わるものがあります。長男が名刺もいただくことで、新鮮な体験にもなったようです。

また、「今日はたまたま近くだから自宅に来ていただいたけど、東京以外の場合はそうはいかないため、こちらからその場所まで行くこともある」と説明することで、普段「出張」と言って家にいないのがどういう状況なのかも、理解してもらう機会になったと思います。

この出来事を通して、次のことを感じた次第です。

・具体的な情報がないものはイメージできない
・百聞は、現場現物の一見に如かず
・親の仕事内容について子どもと共有することは大切

大人になったらなりたいものが会社員。
それを「何となく」ではなく、より具体的に「会社員としてこういう仕事がある」「こういう仕事に興味があるかも」と思ってもらうことで、仕事というものに前向きなイメージを持つきっかけになり、将来への就業意欲が高まると思います。そのために、親が家庭内でできることもいろいろとあるのではないか。そのように思いました。

<まとめ>
仕事について、子どもに具体的に伝える。

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