日本人の食生活から考えてみた(2)
前回は、日本人の食生活について考えました。世界中でカロリー摂取量が年々増えていく中で、日本は例外的に年々減ってきたというデータを基に考察しました。
前回、日本でのカロリー摂取量減少の背景にある要因として、以下の4つを想定してみました。
1.人々の食への意欲が減退した
2.食以外のことも含め、消費意欲が全体的に減退した
3.食への意識が量より質にシフトした結果、カロリーや炭水化物の消費量が減っている
4.高齢化が進み、カロリー摂取可能量の少ない人口の割合が高まった結果
このうち、2.を予感させそうな内容を、2月5日の日経新聞「「コロナ貯蓄」使わぬ日本 GDP比10%超、将来不安映す 米では取り崩し、消費回復」に見ることができるかもしれません。同記事の一部を抜粋してみます。
同記事によるとざっくり、コロナ貯蓄について、日本はさらに積み上げ、米国はほぼ取り崩し、欧州は日米のだいたい中間あたり、のような感じです。
世界有数で高い日本の現預金保有率が、コロナ禍でさらに高くなり、そのまま高止まりしているということです。将来不安から貯蓄を積み増そうという動きは、コロナ禍前から指摘されていました。このトレンドは、かなり根強く続くことも想定されます。賃金の持続的な上昇や、金利をはじめとする金融商品の相応の運用益が持続的に得られる環境に変わるなど、大きな環境変化が起こるまでトレンドの反転は難しいかもしれません。
上記のカロリー摂取量減少は、3.の健康志向の高まり以外に、以前からの上昇し続ける高い貯蓄意欲により消費に回すことを避けた結果の2.が大きいのかもしれません。
消費意欲が減退するうえに、今後人口が減っていきます。国内の事業活動においては、限られた消費量のパイの取り合いの中で、いかに自社の商品・サービスを優先的に選んでもらえるかの視点が、一層重要になってきそうです。
ちなみに、前回取り上げたように、日本の平均的なカロリー摂取量は世界平均を下回っているようです。だとすると、周りの人を見渡して、
・自分は食事量が周りの人と同等だと思える人は世界平均を下回って食事量を節制できている人
・少なめだと確信できる人はさらなり
・多い人は世界平均を上回っているかも
といった振り返りができるかもしれません。(これだけをもってして良い・悪い、健康・不健康などの判定はできませんが)
<まとめ>
将来不安による消費低迷は根強いことが想定される。
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