応援を集める
前回は、先日参加した「知心会」の講話をテーマにしました。経営者として成功する人の共通点の中から、「すべてをゆるす(赦す)」について取り上げ、「ゆるしの100日行」がそのトレーニングとして有効ということを考えました。今回もその続きをテーマにしてみます。
・応援を集める
成功する経営者は、例外なく支持者が多いというお話がありました。それも、「なんとなく応援してます」といったレベル感ではなく、具体的なアクションをとって自分を支援してくれるレベル感の応援です。
1人の人間はできることが限られています。どんな人でも強み、弱みの両方があり、持っている資源と持っていない資源があります。自分が持っていない資源は他から調達する必要があります。経営に限りませんが、調達に積極的に手を貸してくれる人が多いほど成功しやすいというのは、自ずとうなずけます。
また、株式会社はもともと、会社を応援したい人が出資するという構図で成り立っています。よって、応援されないと株式会社は存在しないというのが原理原則です。この原理原則の観点からも、応援を集めると成功しやすいということになります。
では、どうすれば会社や経営者が応援されやすくなるのか。
ここでは2つほど挙げると、ひとつは「目標と現在地のギャップを理由付きで明示すること」だと講話では聞きました。
「目指しているゴールを宣言する。会社として○○になりたい。それに対して現状は△△。○○になりたいのは、□□だから」というのをはっきり言語化して相手に話すことです。会社の存在意義であるミッション、あるいは経営者の使命感、そして会社や経営者の描くビジョン・目標、それに対する現状とその差分の明示です。
「やりたいということが、大それたことに聞こえると思うし、恥ずかしいが現状はこれだけしかない。しかし、やりたいから応援してほしい。頼る人がいない。あなたに頼りたい」と言い切ることです。
しかしながら、多くの人は照れもあって、目標と現在地のギャップをはっきり言いきれないと、講話では聞きました。例えば「上場までいきたい」と実は思っていても、「上場目指してるんです」とまでは相手に向かって言えない。「今の売上は○○です」とまでは言えないから。
「会社の調子はどう?」と言われて、良くても悪くても「ぼちぼちで・・」とあいまいになる。これでは、応援しようがないというわけです。なるほど、思い当たるところがあります。私も日常会話ではそういうあいまいな物言いになってしまっている気がします。
この差が分かりやすければ、それを聞いた相手の中から、何かを感じて応援者となってくれる人がいるかもしれない。今は、知識もお金も持っている高齢者が増えている。こうした人たちの中から応援者が出てくれば、成功しやすくなるというわけです。
そして、もうひとつが、「ご縁に感謝すること」です。
不義理ではだめだというわけです。「ご縁は借り物」だと認識して、貸してくれた人に対して感謝をする態度が大切。
例えば、誰かを自分に紹介してくれた人がいたら、その紹介者にお礼の報告をする。それも紹介してもらった直後の一度だけではなく、時々経過報告していく。そうしていると、「自分に一報なくても、そっちで勝手にやっといたらいいよ」と言われるようになる。そうなると、借り物のご縁が自分のご縁になったと言ってもよい。そのように対応できるかどうか。
音楽CDを人に貸したら、許可なく勝手に又貸しされて、何人かの手に渡った後に収納ケースがバキバキになってCDも汚れた状態で手元に返ってくるような経験をした人もいるかもしれないが、そんな意識で借り物を扱ってはダメ、というお話がありました。私もまさに、これに当てはまる経験をしたことがあります。
サザンオールスターズの「すいか」という、CD4枚組1万円のアルバムを、十代の学生だった当時としては思い切って買ったものの、知人に貸したら又貸しされ、まさにその状態で返ってきました。口々に「自分のところに回ってきたときには、既に破れていた」と言われたのを覚えています。45万セットで販売日限定発売のCDだったため買い直しもできず、今でも記憶に残っている、当時としてはかなりショックだった出来事です。このような借り物のご縁の扱い方はだめだというのを、認識した次第です。
「あいつは律儀や」となると、応援者を集める結果になる。
自戒も込めて、認識したいことだと思います。
<まとめ>
ご縁は借り物
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