見出し画像

ゆるしの100日行

先日、私が参加している「知心会」の講話会に出席しました。「知心会」では、ありのままの己の心を観ながら仲間と共に研鑽する機会の一環として定例講があります。「知心会」の講話は普段大阪で行われていますが、東京での初めての講話機会でした。その講話の中から印象的だったことをテーマにしてみます。

経営者として成功する人の共通点について、いろいろな切り口からいろいろと考えられることがあります。そのうえで、この日の講話ではいくつかの紹介がありました。その中から2つほど、個人的に印象に残ったことを取り上げてみます。

・すべてをゆるす(赦す)

知心会では、心がけるべき「二十則」があります。二十則の中には、「相手が100」というのがあります。これは、「自己都合0相手都合100で考える。相手の都合に合わせて自分を変える」というものです。この「相手が100」が、「すべてをゆるす」に通じます。

経営者の「気」がよどんでいると、会社がよどむ。
恨み、つらみ、執着などが、よどみの原因になる
それらは「気」の流れを止めてしまう。経営者なら、お金や社員へ変な形で執着しないよう思いを自己完結して、気をよどまさないようにする必要がある。

気をよどまさないために、どんな心構えでいるとよいか。
それは、何があってもゆるすこと。心からゆるす

これは簡単なようで難しい。なぜなら、私たちには「我」があるから。
「我」とは固定観念。「これはおかしいんじゃないか」「こうあるべきではないか」と知らず知らずのうちに常識だと思っていることや、あるべき論。「我」が執着に通じると、心から相手をゆるせなくなる

だったら、無になるとよい。
人間は本来、無であるはずの生き物だが、めいめいが勝手に色をつけている。

自分の執着の色がついたメッセージは、相手の中に入った瞬間に違和感を与えてしまう。「何であなたにそんなこと言われにゃならんの?」と相手に思わせてしまう。

水のように、「こうあるべき」という固定観念なく、無味無臭でどんなものにも形を変えて相手の中に入っていけば、流れていく。自分の心を水のようなイメージにもっていく。

お客さま、取引先、社員。日々の事業・仕事では、いろいろな関係者とのかかわりの中で、いろいろな出来事がある。その出来事の中には、腹の立つこと、ゆるせないこともいろいろある。日々遭遇する出来事に最善と判断する対応や交渉などもしていくわけだけれども、過ぎ去って変えられない過去となったことをいつまでも引きずらない、ということだと、私は汲み取りました。(もちろん、ゆるすというのは、コンプラ違反や契約違反、目標未達を放置している状態などをそのまま見過ごしてよいなどではなく、それはマネジメント上の別の種類の問題ですが)

「あの辞めていった社員はゆるせない」「取引先だったあの会社の仕打ちは今でも忘れてない」と、ゆるさない状態を抱え続けていると、水がよどんで腐っていくように運気が流れなくなる。何があってもゆるせる経営者のもとでは、運気が流れ始める。すべてをゆるせば、運気を自分で引き寄せることができるようになる、というわけです。

そのことを見える形で証明するのは難しいのかもしれませんが、「何千人の経営者を見ていく中で、成功する人に共通していた点」と言われると説得力があります。そして何より、直感的に、世の営みはそういうものだろうという気がします。

そうはいっても、「すべてをゆるす」というマインドを身につけて実践できるようになるには、どうしたらいいか。「お勧めのトレーニングは、ゆるしの100日行」だと聞きました。それは、次のようなイメージです。

・自分にとって最も身近な人を1人選ぶ。例えば、配偶者やパートナー、親や子、上司や部下

・選んだ1人が自分に対して何をしてこようと、自分0相手100でゆるしてみる

・例えばのイメージで、仕事で相当に疲れて遅い時間に家へ帰って、「おかえり」の一言もなく「もう少し家のことも考えてよね」などと配偶者に言われたとしても、カチンときたままそれを言動に表すのではなく、「そうだね、ごめんごめん」などと水のように流す

・それを100日間続ける。100日も続けると見える景色が変わってくる

仏教界でも100日間修行する意義が知られているそうですが、なぜ100日なのかと問いかけてもわからないのだそうです。ただし、100日続けることを無駄だと言う人はいないそうです。

人間には忘れるという能力が備わっています。何かを忘れてため込まないようにするのは、脳のキャパシティを維持するうえでも、心身の状態を保つためにも、必要な能力です。しかしながら、大切にしたいと思ったこと、自分に取り入れようと思ったことを、意識の中から落としてしまって身につかなくなってしまうという一面があります。

100日行は、そのことを忘れることがないぐらい習慣化させるために、必要な期間と頻度の目安というわけです。100日やり続けると、そのことが自分の中で自然となっていて、自分のものになる

こういった話をすると、「ぜひやってみようと思います」と言う人は多いが、実際に100日続く人はほとんどいないと、講話では聞きました。確かに、例外なく100日続けるのは非常に難しいことだと思います。だからこそ、やり終えた時に価値があるのだとも思います。

何かを始めようと思ったら100日連続。
ゆるしの100日行に、私も取り組んでみようと思います。

続きは、次回取り上げてみます。

<まとめ>
ゆるしによって、よどみを取り除く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?