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ステージという場所
小学校の学芸会で「よろこびの歌」を一人で歌う役があった。その役を何らかの方法で獲得し、大勢の人が観ている中で一人で歌を歌った。すごく良かったよ!!!と物凄い勢いとテンションで言ってくれたのは名前も知らない誰か。それが私の1番古いステージの記憶。
その次は6年生が1年生を迎えるみたいな式で全員が合唱する中、一人だけ指揮者のように前へ出て歌を歌うという謎のシチュエーションがあった。よく覚えてないけど、歌声が大きいからみたいな理由だった気がする。
その次はピアノ教室のオリジナルソングコンクールで、チームの友達と一緒に作った曲を大きなホールのステージで歌った。それがまさかの賞を獲った。
私のステージ人生は、もう小学生から始まっていたのだと思う。
それから中学校の合唱部でもステージに立ち、高校の軽音部でもステージに立ち、卒業後も路上ライブというステージに立ち、もうすぐ30を迎える今でもステージに立っている。
私にとってステージはもちろん特別な場所ではあるけれど、ある意味身近な場所でもある。自分から1番遠い存在になれるような気もするし、本当の自分でいられるような気もする不思議な場所。
とある日のステージで、初めてもう立ちたくないと思った時があった。その時のことは今でも鮮明に覚えている。人生初体験だった。それまで何の疑いもなく立っていたからこそ、ここへ来てようやくステージに立つ本当の意味みたいなものを問われた気がした。今ではそう思う。
最初はただの目立ちたがり屋だったのかもしれないけど、どこからか理由が変わったり、見失ったり、それだけでは立てなくなったりして、今の私がステージに立つために見つけた答えは一つではなくなった。たくさんのきっかけがあって、あの場所と私を結びつけてくれている人たちがいて、何か一つでも欠けていたら戻ってこられなかったと思う。私が勝手にそう思っているだけだけど、そう思っていたいからこれでいい。
この間の“藤森愛 × I FUJIMORI「再来」”ワンマンライブは本当に楽しかった。皆さまありがとうございました。
またこの場所へ戻って来るために藤森愛とたくさん話し合い、試行錯誤し、合意をもらい(笑)、満を持して決めたワンマン。そしてこれから先も歌い続けていくために作り直した曲たち。今度はイラストレーターな自分と共に、大事に育てていきたいと思います。
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とりあえずなくても生きていけるけど、ないと生きている心地はしない。私にとってのステージはきっとそんな場所。
あの日褒めてくれた名前も知らない誰かさん、私に生きがいをくれてありがとう。そして応援してくださってる皆さま、私をステージに立たせてくれてありがとう。
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