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走って人生変わった話

とある冬、気管支炎になり咳が出るようになりました。それはいつものことで、私にとっては何の珍しくもない出来事。早めに行きつけの耳鼻咽喉科へ行き、いつもの薬で症状を抑えてライブをする。酷い時は毎月のように駆け込んでいましたが、ライブも多いし喉をよく使うから仕方がないと高を括っていたんです。


原因不明の咳が止まらなくなる

しかしその冬はいつもと違いました。1週間、2週間、3週間経っても熱はないのに咳が治らない。日が経つにつれて焦りは増していく…。ネットで調べまくり、ありとあらゆる喉に良いとされるものを試しまくりました。

でもどれも全く効果は出ず、症状は悪くなる一方。一日中咳をしているのが当たり前になり、酷い時は呼吸がしづらくなるほど咳込み、夜は悪化して寝つけず、ステージ上では症状が出ずに歌い切れるかの恐怖との戦い。

「当たり前にできていたことができない。」

体が元気で心がついて来ない時は休んじゃおーってなれますが、心が元気なのに体がついて来ないギャップは自分をさらに焦らせました。

もちろん色んな病院へ行って色んな検査もしましたが、発声法の問題だとか、何かのアレルギーかもしれないだとか曖昧なことしか分からず、処方された薬を試してみる日々。その薬が身体に合わず、救急病院に駆け込む状態になったことさえあります。

ネットには良くも悪くも色んな情報が書かれていて、調べれば調べるほど治す方法が分からず不安になる。

症状が出てから半年が経過した頃、私は歌い続けるのを諦める一歩手前まで来ていました。


最後の望みに賭けたランニング

「もし薬で症状を抑えられたとしても、根本的な解決にはならない。」

そう言われて、ランニングをオススメされたことがありました。

高校生の頃、足の不調で走る類いの行為を避けてきた自分にとって「走る」とは未知の世界。というか疲れるし、足痛くなるし、何が楽しいのか分からない。ましてや咳き込んでるのに走っていいのかという不安もある。

しかし症状は一向に良くならず、原因も分からず、薬で身体を壊してからそれがトラウマになっていた私には他に打つ手はなく、最後にランニングに賭けてみることにしました。


全く運動をしてこなかった私は、当然のことながら筋肉痛になりまくりました。走る度に筋肉痛になり、多分足の部位を一通り筋肉痛になったと思います(笑)1kmってこんなに遠いのか…と感じるほど足は重たく、息は苦しい。爽快に走り抜けていく他のランナーがとても同じ人間には見えない。おじいちゃんランナーとかめっちゃ早い。

息が上がれば咳も出る。せっかく筋肉痛にならなくなり少し距離を伸ばせるようになっても、途中で咳が出てしまえばそこでおしまい。それがなんだかとてつもなく悔しかった。

咳が治ってから走るべきだと言われたこともありましたが、それでも私は何かに取り憑かれたように、何かを信じて走っていました。ここで立ち止まってしまったら、次はもう走り出せないような気がしていたからです。

それはいつしか治すために走るのではなく、走るために治したいに変わっていきました。


変わり始めた気持ちと身体

それまで偏食だった食事も走るために変化していきました。極力コンビニご飯をやめて、筋肉を増やそうとあまり食べなかった肉を摂るようになり、効率良くエネルギーに変えるために栄養素の吸収率を気にするまでに。食べた物や食べた順番でその日の走るコンディションが変わるのが面白かったんですよね。身体はすごく素直で正直。

症状が出てから1年後、私の咳はいつの間にか止まっていました────


ランニングは私に色んなことを教えてくれます。足元ばかり見ていては壁にぶつかるし、遠くばかり見ていては躓いてしまう。色んな景色を見ながら、自分自身と向き合いながら、自分の足で進んで行く楽しさを知れたのは本当によかったと思います。

頻繁に服用していた気管支炎を抑える薬は、走り始めてからは一度も服用しておらず、炎症も起きていません。薬は一時的に症状を抑えられたとしても、それに頼りすぎて中毒になってしまう可能性があることも知りました。

最近では、朝起きてすぐに走りに行ってから1日を始めるのがマイブームです。生産性がグッと上がります。風邪をひかなくなったし、コーヒーを飲む量が減ったし、SNSをやる時間が減ったし、夏バテしなくなったし、朝ランのために早く寝るし、いいことしかない!何かに悩んでいる人は今すぐ走り始めましょう!

人生が変わるかもしれませんよ?


※この体験は私の個人的なものであり、医学的な根拠は一切ありません。




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