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八方美人だった私が、天草の人から教わった大切なこと

2019年5月末、私は会社を辞めました。
そして、6月からフリーランスになりました。

自分自身のために、この人生の分岐点になったことを書き残していきたいと思います。

そして、欲を言えば、私の経験したことを知ってもらうことで、
今、働き方や生き方に何か違和感を感じている人が踏み出す一歩に
少しでも役に立つことができたら嬉しい限りです。

子供の頃の私は、好奇心旺盛で社交的な性格からか、
「狭く深く」<「広く浅く」がモットーに友達付き合いをしていました。
親友はいましたが、基本的にクラスメイトとは満遍なく仲良くして、
交友関係はヤンキーからオタク系まで。
正直あまり深い友情を築くことに興味がなかったのですが、
性格上の特性なのだろうと、あまり意識せずそういう付き合い方をする子でした。

大学に進学してからも、早稲田大学という環境をフルに活用して、
大学内外でたくさんの人と出会い、たくさんの人と飲みニケーションをする毎日。
「めぐ(私のこと)って人脈すごいよね」とか「めぐって顔が広いよね」と言われることに、自己肯定感を感じていたかもしれません。

しかし、ある頃から、そんな性格や生き方に違和感を感じるようになりました。

●「天草」との出会い

きっかけは、「天草」という土地に出会ったことです。

2011年4月に新卒でトレンダーズ株式会社に入社し、その後転職し、
株式会社オレンジ・アンド・パートナーズに入社したのは2016年7月。
ちょうど熊本地震が発生した3ヶ月後でした。

まさに最初に担当させてもらった仕事は熊本地震の復興事業。
入社して2週間後には、出張で熊本県天草市にいました。

それまでもどんな仕事も真剣に取り組む性格でしたが、
今回は「復興」という大きな目的だったこともあり、
単なる地域活性化プロモーションのお仕事ではなく、
“この土地で暮らす人たちの力になりたい”という、
より強い想いで取り組みました。

熊本空港から車で約3時間、5つの橋を渡って辿り着く天草。
“宝島”と呼ばれるほど、そこには昔から変わらない風土や文化があり、
人が大切にしなければならない”優しさ”や”温かさ"が残っている島。
海と空と風と人と、すべてが居心地のいい場所なんです。

地元の人は、夜ごはんをどこで食べるのか気にしてくれたり、
どこかで飲んでいると言えば、駆けつけてくれて一緒に飲んでくれたり、
当時運転免許を持っていなかった私の移動手段を気にかけてくれたり…。

そんな風に、天草で暮らす人々の優しさや温かさに触れることで、
私の中でこれまで気づいていなかった何かに気づき始めた感覚がありました。

それから約2年間、天草のお仕事が続きましたが、
2017年の年末、部署異動のため東京本社在籍となり、天草とはすっかり疎遠になっていました。

●1年振りの天草への再訪

部署移動してから約1年後、たまたま社員旅行の行き先が天草になりました。
1年振りに訪れてみると
私が初めて天草を頃に感じていた何かが、自分の中ではっきりと腹落ちしました。

1年振りにお会いした天草の方々は以前と変わらず優しくて親切であったかくて。
市役所の皆さんも、観光協会の皆さんも、いつも移動の足を気にかけてくれたあの人も、おでんカウンターで一緒に焼酎を飲んでいたあの人も、いつも利用していたタクシーの運転手さんも、飲み屋のおばちゃんまでも。
みんな当時のままに、私にあったかい気持ちで接してくれたのです。

その時、思いました。

私は、この人たちがくれた優しさへの感謝の気持ちを、
ちゃんと伝えられているのだろうか?

●「たくさんの人に出会いたい」<「これまで出会った人を大切にしたい」


これまでの私の人生は、広く浅くで良い、たくさんの人に出会いたい!、
たくさんの人に出会うことが大事!という、”とにかく量!”みたいなことに追われ、何か本当に大事にしなければならないことを見失っていた気がします。

そんな私が天草の皆さんに出会ってからは、
たくさんの人に出会いたいという気持ちよりも、
これまでの人生で出会うことができた人を大切にしたいと思う気持ちが強くなりました。

「相手を想う気持ち」とは、とても純粋で温かくて優しくて、
すごくシンプルだけど、その気持ちを相手に伝えるのってすごく難しい。
でも、その気持ちを日常で無意識のうちに表現している天草の人々。

天草の人々のおかげで、気づいたんです。

数ではなく、深さ。
今すでに自分と出会ってくれた人、これまで支えてくれた人、
大切な人を大事にしたい。

大切な人をちゃんと大切にできること、
それが自分にとっても幸せなことだと、気がつきました。

だから、本当に大事にしたいこと、大切にしたい人を幸せにする仕事がしたい。

そんな想いが強くなったことが、
会社を飛び出しフリーランスとなるきっかけの一つになりました。

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