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老舗の魅力溢れる、大山の「レストランオオタニ」

前回の記事で「自分が当たり!と思ったカフェを紹介していく」などと息巻いていたが、最近すごくいいお店へ行ったな、もう一度行ってみよう、と思った店はよくよく考えなくてもレストランだった(店に入ってから気づいた)。初回からテーマがブレブレだが、わたしの中の「居心地がよくくつろげる、優雅な場所」という定義には大いに当てはまるのでよしとしよう!

大通り沿いで異彩を放つ、老舗の洋食屋さん

今回紹介したいのは、板橋区熊野町に位置する「レストランオオタニ」。最寄りは東武東上線大山駅で、駅から歩いておよそ8分ほど。わたしは池袋周辺に住んでいるので、山手通りから20分ほど歩いて訪れた。

もともと、この店を見つけたのも副都心線沿いから逸れてふらふら散歩しているうちに大山まで辿り着いたのがきっかけ。空腹と疲労に苦しみながら、なんとか池袋まで帰り着こうとしている最中、この豪奢な店構えに思わず目を奪われた。写真からお分かり頂けるかと思うが、店の前は車通りの激しい大通り。集合住宅や企業ビルが立ち並ぶ中、突如として現れる古い洋館のような外装はそれだけで異彩を放っている。

いったいどんなお店なんだ、と足を踏み入れてみれば、やはり内装も古い洋館のようにレトロで美しい。雪山のホテルを彷彿とさせる吹き抜けの天井、マーブル模様のテーブル、光が溢れんばかりにこぼれるステンドグラス、しぼったボリュームで流れるBGMはピアノソロのジャズ。平成も終わろうとする現代から、まるで昭和の世界にトリップしたようではないだろうか!

それもそのはず、レストランオオタニは1965年創業の老舗レストラン。2018年になっても公式ホームページやSNSアカウントをもたないところにもなんとなくグッときてしまう。度々ブログやテレビで取り上げられてもいるようだが、基本的には近隣の人々から愛されている印象だ。店員さんと常連と思しきお客さんの会話からも、古くから愛されていることが伝わってくる。

いくつものプランターや鉢が置かれた、緑あふれるバルコニー。バルコニーへ実際に出ることはできないが、大きな窓越しにバルコニーを眺められる席も用意されている。わたしはまだこの席を利用したことがないが、レストルームへ続く通路を歩くときにはうっとりと見惚れてしまう。

豊富なメニューはシンプルで、みんなの好きな味

とにかくメニューが豊富なオオタニ。洋食屋さんと言われてイメージするオムライスやハンバーグ、カレーやフライと言ったものはすべて注文できる。前回は肉入りスパゲティ(アツアツの鉄板に炒めた肉とスパゲティが乗っているシンプルなメニューだ)を注文したが、今回はスタンダードにハンバーグを注文。

美味い(確信)。見た目からおいしさが約束されているが、注目していただきたいのはついでについてくるお味噌汁だ。ランチで注文された料理にはだいたい味噌汁がついてくるらしいのだが、ケチャップが強めに効いたソースのハンバーグと、大根、あぶらげ、豆腐入りのお味噌汁はなかなかにトリッキーな組み合わせ。ちなみに、わたしの連れはカツカレーを注文していたが当然こちらにもお味噌汁がついてきた。

カレーにお味噌汁の組み合わせ。近年のおしゃれカフェ、どころかまあまあ家庭でも出くわすことのないコンビネーションである。だが、それがいい

ちなみに肝心の味はと言うと、シンプルで昔ながらの洋食屋さんといったスタンダードなおいしさ。どっしりと身の詰まったハンバーグはジューシーで、濃いめのソースはポテトフライにもよく合う。連れの注文したカレーも一口食べさせてもらったが、子どもの頃に愛してやまなかった類のよく煮込まれた甘口カレー!カツもおしみなくデカい。とにかくボリューミーだ。

オオタニは果物をふんだんに使ったメニューが人気らしく、季節のパフェや果物をまるごと使った生ジュースなどを食後に注文する予定だったのだが、正直わたしも連れも料理をたいらげたあとは肩で息をしていた。これは、家族連れでやってきたお父さんの胃をも満足させられるボリュームではないだろうか…。ちなみに我々の後ろのテーブルで食事をしていた男性はライスをおかわりしていた(良心的なことにおかわりは無料である!)。

生クリーム入りカフェオレと穏やかに流れる時間

前回も今回も、食後に注文したのは結局アイスカフェオレ。ほかのテーブルが生ジュースを注文し、しぼりたての新鮮なジュースを飲んでいるのを見て、ああ…わたしも次回はあれを…と思ったのだが、このカフェオレがまたとてもおいしくてついつい今回も頼んでしまった。

コーヒーの上でとぐろを巻いているのは甘さ控えめの生クリーム。コーヒーはそのままだと苦くて飲めない、けれど甘すぎるカフェオレは苦手…というわがまますぎるがゆえになかなか好きなカフェオレに出会えないわたしにはぴったりの味。

ゆっくりとカフェオレをたのしみながら、満腹感と満足感ですっかり言葉少なになったわたしたちは、何をするでもなくまったりと流れる時間に身を任せた。くりかえしになってしまうが、穏やかで贅沢な時間を提供してくれる、これこそがわたしの求めているカフェ。まあ今回はレストランなわけだれど、おいしいコーヒーと料理が楽しめてくつろげる店って最高なので、今回はこれでよしとさせていただきたい。


レストランオオタニ

東京都板橋区熊野町47-8

03-3959-5040

9:00~24:00


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