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お腹以外も満たされる、だからカフェが好き。

このたび、noteを書きはじめるにあたり、書きたいテーマについて考えてみた。はじめ、精神的な想いを書き綴るのが自分の頭の整理にもなっていいんじゃないかと思ったのだが、とりあえず書いてみたラフのようなものが堂々めぐりの内容になってしまった。かつて不動産関係の会社に委託され住宅に関するコラムを書いていたが、依頼されたものでなく、自分自身で考えて発信しようとすることはぞんがい難しいものだなと思わされたけれど、よくよく考えてみたら精神的な想いを書き綴りたかったわけではない。

自分の好きなように書いてもよいのなら(そもそもそう悩まなくても好きなことを書けばいい場所なのだが)、自分の好きなものについてとことん書いていくのはどうだろうと思い、自分が変わらず好きなものについて書こうと決めた。いっとき夢中になってすぐに飽きてしまうものもあれば、昔からずっと好きなものもいくつもある。そのうちのひとつが、カフェ、喫茶店だ。

そもそもわたしはまわりに食べものへの執着が異常と言われるほどの食いしん坊だが、カフェが好きなのは、食べ物や飲み物がおいしいからだけじゃない。そう、カフェにはメニュー以外の魅力もあるのだ。

人がカフェを訪れるとき

そもそも人が飲食店を訪れるのは、大前提として「空腹だから」という理由があるだろうが、たとえばひとりで空腹になったとき、ふたりで空腹になったとき、大人数で空腹になったときで選ぶ場所はちがう。そのときに食べたいものでも店選びは変わるだろうが、たとえば大人数だったら「みんなで騒いでも大丈夫な店」を選ぶだろうし、ふたりだったら「二人きりで話せる個室のある店」を選ぶかもしれない。外食には様々なシチュエーションがある。

では、カフェを訪れるときはどうだろう。飲食店を訪れる理由は「空腹だから」と述べたが、空腹でなくても人はカフェへ赴く。待ち合わせまで時間が空いたから、だとか、ちょっと小腹が空いたから、だとか、落ち着いて本が読みたいから、だとか、打ち合わせで利用したいから、だとか、とにかく様々な理由で人はカフェを利用するのだ。レストランや居酒屋よりも、実は人がカフェを訪れるシチュエーションは多岐に渡るのではないだろうか。わたしはそれが、カフェのおもしろいところだと思う。

いいカフェの条件はメニューのおいしさだけじゃない

先述のとおり、人によってカフェを利用する理由は様々。おいしい食事やコーヒー目当てに訪れる人ももちろんいるだろうが、いくら最高のメニューを提供していても、その時々のシチュエーションに沿わないカフェは利用できない。

女同士のお出かけでは「カフェでおしゃべり」が目玉コンテンツに成り得たりもするが、というか女同士ではどこへ出かけてもだいたいおしゃべりすることがメインイベントになってしまうのだが、とまらぬおしゃべりに渇いていく舌をおいしい飲み物で潤し、時々甘いおやつで休憩をはさむ、その行為がわたし自身も大好きだ。そのうち話すことがなくなってテーブルに沈黙が訪れても、そこでぼうっとしていることが苦じゃない、それはどこのカフェも「穏やかに過ごせる、くつろげる場所」を提供してくれているからではないだろうか。

もちろん、いいカフェの条件は人によって様々だ。音楽が大音量で鳴っていたって、ソファのすわり心地がいまひとつだって、それが味なのだという人もいるだろう。けれど、カフェは食事目的のレストランや定食屋などに比べて客の滞在時間の長い場所。長く居続けることが苦じゃないということこそ、そのカフェの魅力になり得るのではないだろうか。

ちなみにだがわたしのいいカフェの条件は、「カフェラテと軽食がおいしいこと、値段が高すぎないこと、店主や店員がむやみに話しかけてこないこと」実はいちばん最後の条件が最も重要だったりするのだが、自分の存在が認知されていると感じないことこそわたしにとっては居心地がよいので、結局のところ、居心地のよい、くつろげるカフェこそがいいカフェだと思う。

カフェは人をいい気分にさせてくれる

なんだこの見出しは、バカなのか、とお思いかもしれないが、結局のところカフェがもたらしてくれるのは満腹感に勝る「いい気分」じゃないだろうか。

先日、法事で姉と待ち合わせする際にミスタードーナツを利用した。カフェラテを注文し、喪服のまま文庫本を読みながら姉を待っていると、隣のテーブルに女子中学生の三人組がやってきて、飲み物の置かれたテーブルにノートや教科書、単語帳などを並べはじめた。おや試験期間中か、と思って顔を上げると、そのテーブルの向こうにも同じような学生グループがいて、と思えばイヤホンを耳に挿し込んでもくもくと独りでドリルを解いているような学生もいて、懐かしい光景とともに苦い試験勉強の記憶が呼び起されながら、大変ね、と思ったとき、隣の女子中学生グループのひとりが言った。

家でひとりでやってると気分がジメジメしてくるんだけど、なんかこうやってカフェとかで勉強したりしてさ、うちら今超優雅じゃない?

その発言を聞いた彼女の友だちも、超優雅~と同意の声をあげた。それから彼女たちはシャーペンをくるくる回したり、BGMに流れてくるカーリー・レイジェプセンにハミングしたりしながら、勉強しにきたんだが遊びにきたんだかわからなかったが、とにかく楽しそうにノートを見つめたり、逸らしたりしていた。

そうなのだ、と私は思った。カフェで過ごす時間、それって超優雅なのだ。なんだか肩の力が抜けるし、コーヒーを飲んだり軽食をつまんだりする以外にはなにもするべきことはなくて、この時間を自分でどう過ごしてもいいという自由があるし、気持ちに余裕をもって穏やかに過ごすことができる。それってとても贅沢なことじゃないだろうか。

もちろん、レストランだって定食屋だって、ラーメン屋だってファストフード店だって、おいしいものを食べさせてくれる場所は人を幸福にしてくれる。けれどおいしい食事のほかにも「ゆったりとした穏やかな時間」を提供してくれるのは、カフェならではじゃないだろうか。


さて、色々書いてきたがとにかく言いたいことはわたし、カフェ大好き。でも、カフェの中にも当たりはずれはある。はずれの店をひいてしまうと猛烈に悔しい!わたしが当たりのカフェで過ごせるはずだった優雅なひと時を返して!とヒステリックになることも辞さない(もちろん誇張している)。

というわけで、自分が当たり!と思ったカフェを紹介していく場を、noteに設けたい。なにも予定はないけれど、カフェで超優雅なひとときを過ごしたいと思ったとき、役に立てたら幸いである。

ちなみに、今回の記事で使用した画像はすべて、お気に入りのカフェで撮影したもの。あなたにも是非、たのしんでもらいたい。

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