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曖昧な情緒、あるいは 「とにかく好き」 と言われるものの強さについて

おばんです。好きなものについて考えていました。

おでんやdenとかスター・ウォーズとかメグジとか、色々好きなものがあるんですが、でも行き詰まったんです。

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たとえば、おでんやden。

半熟玉子のおでんは官能的だし、つみれは余所にない極上のフワフワさで、僕の舌を虜にする。おでん出汁で食べる檸檬拉麺は絶品で、食わずには帰れない。大将も女将さんも人あたりやわらかで、まるで家に帰ってきたかのような居心地の良さを覚える。


……ここまでは言語化できるんですが、いくら言葉で表そうが、テキストではこれ以上にならない。

他にも美味しい店がたくさんある中で、それらと比べようとしたときに、「ここが圧倒的に凄い!」と差別化するのが難しいんです。ユニークなメニューはあれど、それが決定的な差をもたらすかといったらそうではないと思う。


ここでふと思ったんです。そもそも機能的な価値って、えてしてコモディティ化しやすいものであり、優位性になりにくいんじゃないか。食事やら映画やら、歴史が長くプレイヤーの多いジャンルに関しては特に。

もちろん、美味しさや面白さなど、それぞれの強みを否定しているわけじゃないです! このスタートラインに立つだけでも相当な努力を要されるはず。

その土台があったうえで、「ハッキリとは表現できないけど、とにかくdenが好きなんだ!」って曖昧な情緒が、僕のなかで特別な存在にしているのは間違いない。

それはもしかしたら、何度も通ったから帰属意識が芽生えのかもしれないし、名前まで覚えてもらった喜びもあるかもしれない。

でも一度好きになると、この際理由はもう何でもいいんですよね。とにかく好きなんだもん。

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スター・ウォーズに関しても何周も見てきました。エピソードごとのおもしろポイントはいくらでも言えるし、「クローン・ウォーズ」などのアニメもおさえています。C-3POがR2-D2に「無事に帰ってこいよ」って声をかけるシーンはドロイドの友情として、人間のそれを超えたなとも思いますよね、号泣必至です。

一方で、これら一連のスペースファンタジーが「何故好きなの?」って問われたら僕は答えられない。スター・トレックでも良いわけじゃないですか。でもスター・ウォーズが好きなんですよとにかく。

ジョージ・ルーカスやハリソン・フォード、マーク・ハミルといった名優が作ってきた「なんか好きな世界観」なんだと思います。こうなると、もはや言語化しようってのがおこがましい話であって。

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このような言語化できない曖昧な情緒こそ、他にかえがたい強さになりうるのかも。

恋愛にしてもサービスにしても組織づくりにしても、提供価値を高めるのは大前提として、その先で選ばれる存在になるために「言葉にできない何か」と向き合っていくのは大切だなぁ、なんてことを思いました。


言語化できない「好き」は強いんですね。


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