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熊野古道・西国三十三所

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2022年8月の記事一覧

西国33番・華厳寺 奥の院のヤマビルは山の神のメッセンジャー?

西国33番・華厳寺 奥の院のヤマビルは山の神のメッセンジャー?

「薬草」「しし鍋」……イベント列車の樽見鉄道

 谷汲山華厳寺は西国三十三所最後の満願の寺である。西国の札所では最東端の岐阜県揖斐川町にある。
 自動車でいくと楽だけど、最寄り駅からあるくという原則にのっとり、大阪から早朝の快速電車にのった。
 大垣で気動車1両の樽見鉄道にのりかえる。
 高校2年のとき、国鉄樽見線だったころにきたことがある。翌年の1984年には第3セクターになったが、住友大阪セメ

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西国30番・竹生島宝厳寺 秀吉の大坂城と水葬の聖地

西国30番・竹生島宝厳寺 秀吉の大坂城と水葬の聖地

 竹生島には長浜と今津と彦根から観光船がでている。
 便数が多い長浜からわたることにした(往復3200円)。
 9時半の船にのり、えり(小型定置網)とよばれる小型定置網の網をながめながら30分ほどで、こんもりした緑の島に近づいた。周囲は急斜面で浜はない。寺のあるところだけ船着き場ができている。

 上陸して、すぐに拝観料600円を徴収される。
 ちょっとのぼった右側に国宝の「唐門」がある。漆塗りの

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西国28番・成相寺 昭和の夏休みと橋立を満喫

西国28番・成相寺 昭和の夏休みと橋立を満喫

 28番成相寺は天橋立とセットだけど、できるだけふもとからあるきたい。
 丹後国分寺の遺跡に府立丹後郷土資料館があるからここを出発点とした。

 内海をへだてて天橋立の松林が横たわるのがのぞめる。風光明媚で、しかも人里からちかいところに国分寺はつくられたのだという。
 資料館(300円)にはいくつか興味深い展示があった。
 たとえば「藤織」。奈良時代からつくられ、江戸時代に木綿が普及して衰退したが

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西国29番・松尾(まつのお)寺 馬頭観音と騎馬民族がつながる修験の山

西国29番・松尾(まつのお)寺 馬頭観音と騎馬民族がつながる修験の山

 JR小浜線松尾寺駅(舞鶴市)から山に分け入る。
 緑が濃くて、カナカナとうらがなしいヒグラシの声がひびき、なつかしさにいてもたってもいられなくなって、車をおりて歩くことにする。ヒグラシは愛媛の川内町の山の集落をおもいだす。谷間の廃校に星の観察にでかけてすっかり気に入ったのだ。
「青葉山」という案内板がある。標高693メートル。「頂上からは高浜湾の展望」と書いてあり、2014年をおもいだした。
 

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