シェア
藤井満
2021年6月15日 15:29
みかんから梅へ 切目神社(印南町)の鎮守の森から下るとすぐ切目の町だ。仕出し屋やたばこ、パチンコ、接骨院……ほとんどシャッターを閉じているが、にぎやかな時代があったのだ。 切目駅で紀勢線の線路をくぐり、急坂をのぼりつめた海を望む稜線に中山王子神社があった。 本殿わきの小さなお堂は明治期に合祀された「足の宮」だ。 足を痛めて死んだ山伏を村人が丁重に葬ったところ、墓標が山吹色に輝いた。以来、
2021年6月12日 22:48
切り花と民間信仰の道 御坊市の海沿いの塩屋地区の光専寺には、樹高14メートル、幹周6メートル超、推定樹齢600年以上というビャクシンの巨樹がそびえる。竜巻が渦巻いて空に吸い込まれていくような形状で、大蛇になった清姫を彷彿させる。 観音山の坂をのぼると、海の眺望が広がる。色とりどりの花が咲く温室があちこちに立っている。「このへんは潮があるからミカンができず、昔はサツマイモなどをつくっていた。
2021年6月11日 22:25
悲劇のテロリストの墓 6月初め、1カ月ぶりに御坊駅におりると、0番線に1両だけの気動車が停まっていた。かつて「日本一短いローカル私鉄」として鉄道ファンに注目された紀州鉄道だ。街外れにある紀勢線御坊駅と御坊市街地を結ぶため1931年に開通し、現在は西御坊駅まで計5駅2.7キロを往復している。 御坊駅の近くの湯川子安神社には推定樹齢千年のクスノキがそびえ、農村に開けた住宅地のところどころに沖縄で