ふじこ⭐️遠藤愛子

小説や台本、エッセイなど、つれづれなるままに自由に書いていければと思います。 いずれ…

ふじこ⭐️遠藤愛子

小説や台本、エッセイなど、つれづれなるままに自由に書いていければと思います。 いずれもだいたい1つで2000字以内に収まる記事にしています✨ それぞれ、最後まで読んでいただけたら嬉しいです!ありがとうございます!

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最近の記事

これで連続50投稿となります⭐️ いったんここまでで、更新をストップします💡 エッセイも小説もすでに投稿済みのものを読みながら、気長に続きをお待ちください♪ どうぞごゆっくり〜!!

    • エッセイ㉓「本のえにし」

      ご縁、というものは大切にしなくてはなりませんね。 時々ずさんになってしまうので反省ですが、今知り合っている人はみんな、ご縁で繋がっているということになります。 人とのつながりは人生の財産だと思います。 わたしは本にも、同じものを感じます。 人の紹介で出会った本もありますし、本自体に紹介された本(「参考文献」など)もあります。 人でも本でも、その出会いには何かしらの意味があると信じているので、ご縁があった時、ありがたいなあ、と思うのです。  生涯を通じて出会える本には限り

      • いとしい銀色の魚へ⑤

         おれはミワと公園で別れると、ひとりぶらぶら歩いて帰り道を辿った。頬に当たる風はまだ冷たい。けれどそれは好ましい冷たさだった。この空気を取り込むと、肺が満たされて体を流れる血液が清浄になっていく気がする。このまま季節がほどけず凍りついてしまえばいい。そしたらこの世は少しだけまともに見られるようになるだろう。  おれは通りがかりのコンビニで、目についた色とりどりのパッケージの菓子を雑多に買い込んだ。  アパートが近づくと鞄から鍵を取り出して、キーホルダーの輪に指を入れてくるくる

        • いとしい銀色の魚へ④

           桜の並木道を、英輔に少し遅れながらついていく。  もう少し暖かくなれば花が綻び、この道も花見客で埋め尽くされるけれど、今はちらほらとだけ人が見える。敷地内に野球場やバラ園もある大きな公園だ。穏やかな午後、人々はベンチで体を休めたり、ランニングや犬の散歩をしたりして、思い思いにやさしい時間を過ごしている。  わたしは静かに呼吸した。冬の寒さが、まだ名残を留めている。ひんやりとした空気を繰り返し吸い込む。すると頭の芯がすうっとして、わたしは正気を取り戻したような気持ちになる。教

        これで連続50投稿となります⭐️ いったんここまでで、更新をストップします💡 エッセイも小説もすでに投稿済みのものを読みながら、気長に続きをお待ちください♪ どうぞごゆっくり〜!!

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        • エッセイ
          23本
        • 小説
          16本
        • 星作りの幾星霜
          7本
        • 台本
          1本

        記事

          エッセイ㉒「ポッポ隊」

          もう鳩が我が家の庭に巣を作ることはなくなりました。 ポッポ隊もすでに老齢なので、すっかり隠居生活に入っています。 唯一現役の新しい隊員として猫がいますが、彼はこの夏、2匹のクロハネトンボを仕留めました。 目を離した隙です。 「あれは神様の使いと言われているんだよ」と聞いてから、猫にリードをつけて庭を散策させる時には気をつけていたのに。 それこそ「神の使い」というなら、怒らずに許してくれるかなあ・・・・・・。 それにしても、家の庭では形は変われどいつでも追ったり追われた

          エッセイ㉒「ポッポ隊」

          いとしい銀色の魚へ③

           英輔は恥ずかしげもなく女子トイレから出ていく。彼はしばらく大股に歩いてから、わたしの手を離した。  手首は赤くなっていた。わたしはそこをそっとなでると、口をゆすいでから英輔の後を追った。彼の二倍の速度で足を動かす。 「ねえ」  斜め後ろから小さく声をかける。 「何」 「さっき、何かしたの」 「さっきって?」 「教室で。わたしが寝ていたとき」  英輔はわたしに目を落とした。 「どうして?」 「みんなが笑っていたから」 「そう。ミワちゃんを笑っていたんだ」  わたしは黙り込んだ

          いとしい銀色の魚へ③

          エッセイ㉑「花を贈る」

          自分で思いますが、「面倒臭い人だな」笑 でも今でも本当に思うんですね。 「花を贈る」ってどういう心情なのだろう、と。 これを綴ってからしばらく経ち、家に仏壇というものができて、私も日常的に供えるお花を買うようになりました。 今の悩みの種は、仏花をどのくらい長持ちさせられるか。 洋花はあまり保たなくて困っております。 以前供えたひまわりの、かくんと落ち込んでいくスピードのなんて早く、悲しいこと。 和花として売られている菊の親戚たちは緑も濃く、けっこう長持ちしてたくましい

          エッセイ㉑「花を贈る」

          いとしい銀色の魚へ②

           昼間の水槽は明るい。窓から注ぐ陽光は、この四角い部屋の何もかもをまぶしく照らし出す。  わたしはふっとわずかに意識を戻したけれど、そのまま明るさを避けて、すぐに腕の中の暗がりへ引き返す。  水面に体が浮き沈みするように体が揺れる。まぶたを薄く開くと、大きくしなやかな手がわたしの肩に広がっていた。おぼろげなその輪郭を眺めていると、再び体を揺さぶられる。わたしはマリオネットが繰り糸を振り回されるようにぐらぐらとして、ようやく目を見開いた。真っ先に大きな手の向こう、涼しげな瞳に焦

          いとしい銀色の魚へ②

          エッセイ⑳「スパイシーな夜」

          大好物、カレーライス。 一度、一日3食ともカレーライス屋さん巡りをしてみたいというのが、わたしの密かな願望です。 ただやっぱり家のカレーが好きです。 家では時々夏野菜カレーやキーマカレーも出ていたけれど、そのどれもがお店でいただくカレーよりも大好きでした。 ふとすると作りたくなるカレーライス。 「自分のカレー」を突き詰めてみるのも楽しいかもしれない、とも思います。 ちょっと覗き込んでみる奥深いカレーの世界の入り口は、踏み込んだら二度と出てはこられないような、蠱惑的で怪しげ

          エッセイ⑳「スパイシーな夜」

          いとしい銀色の魚へ①

          これはすっかり書いたことを忘れていました。 というのも今日アップするところまででたしか、高校の時はこのお話を書くのをやめていたんです。 読んでもらった時に文芸部顧問の先生に 「この結末は1番イージーなんじゃない?」 と言われ、拗ねまくったことだけ記憶していました笑。 拗ねまくった結果、続きを書いていなかったはずが、一体いつ思い直したのかしっかり書いていたことを見つけたのでわたしも読み返しながら上げていきますね。 さっと振り返った感じ、ちょっと勇気が要りますが。 すごく若

          いとしい銀色の魚へ①

          エッセイ⑲「カエルの大合唱祭」

           よく田舎住まいの人が「夏の夜はカエルの合唱がすごいよ」と自慢げに言う。  実のところ、それは田舎であることの「たとえ」みたいなもので、「同じこの日本の同じ夏の夜に実在する世界なのだ」と本当に知っている都会人はどれほどいるのだろう。  わたしは東京タワーのふもとにも住んだことがある。  そして今は福島県の賑やかなところからは少し外れた田舎暮らし。  深い山奥ではないけれど、子供の頃はもっとあちこち田んぼばかりで、入道雲が立ち上がる夏の青空を背景にたくさんのとんぼが飛び交っ

          エッセイ⑲「カエルの大合唱祭」

          猫また

          高校の時、教科書に載っていた「徒然草」に自分で少し手を加えての掌編です。 と言っても、ほとんど意訳ですね。内容そのまま。 「徒然草」って面白いな、と思ってもらうきっかけになれば幸いです。 猫また、よく現代の創作にも出てきますね! 昔は電気というものがなかったので、夜に歩くとなると本当に真っ暗だったと想像します。 その闇の中にこそ、昔の人は妖怪や化け物をリアルに感じ取ることができたのでしょう。 わたしは大学も文学部国文学科。 専門は中世文学で、卒論では「今昔物語集」について

          エッセイ⑱「箸運び」

          思いがけない形で、ここから食卓は変わりました。 今、食卓を作るのはわたしの役目に。 置く箸は二膳に。 亡くなった母のような立派な食卓は、わたしには作れていません。 ただ、まるで出来る気がしていなかったのにそれが役割になれば、人はやるものですね。 8月、福島のお盆のころには兄が少し帰ってくるので、ちょっとお箸は三膳に増えます。 またきっと形は変わっていきますが、せめて今はわたしの出来る限り、日々の食卓を作り上げていきましょう。  箸を食卓に運ぶのはわたしの役目。  い

          エッセイ⑱「箸運び」

          ブルーマンデー④(完)

          「ばかじゃないの。」  夜の道を自転車で通り抜け、学校で彼女に会うなり、僕は言い放った。  雨が降ったせいもあり外は肌寒い。風も強かった。  息切れがして、思わずしっとりと湿った地面に座り込む。ひょいと上を仰ぐと、二階の図書室の窓からのぞく、彼女の気まずげな顔が見えた。 「僕が起こしたっていうのに、二度寝したのか。今さっき目が覚めたらもう夜中で?図書室も、学校も鍵をかけられて。」  聞いている吉川さんは、僕を見下ろし弱々しく笑う。 「司書の先生はどうしたの。気づいて、起こして

          ブルーマンデー④(完)

          エッセイ⑰「勝利のコーラ」

          誰でも経験のありそうなことを、つらつら解説してますね笑。 このコーラ、どんな味だったのかまるで記憶にないので、美味しくはなかったみたい。 UFOキャッチャーって罪深いですよね。 誰があんな悪魔の小銭投入機を生み出したのでしょうか。 少し前「ちいかわ」のマグネットが景品のガチャガチャに同じようにどハマりして、あれが同じような強力な引力を持っていることがわかりました。 最高の浪費です。 懲りずにそういうものに定期的にハマってしまうので、ちょっと自分をキツく叱りつけようと思

          エッセイ⑰「勝利のコーラ」

          ブルーマンデー③

           気づいたとき、雨はすでに降り止んでいた。  目の前では吉川さんが静かに寝息をたてている。  ぼんやりと半覚醒のまま振り返ると、司書のじいさんがいない。  腕時計に目を落として十秒間ほど経ってから、僕は大声を上げて立ち上がった。 「吉川さん!ちょっと起きて。頼むから!」  慌てて吉川さんに近づき、乱暴に揺さぶる。彼女はやっとのことで半目になって僕を見上げた。 「吉川さん、聞いてる?今、まだ下校時刻まで少しあるんだけど、僕は今日用事があって、もう帰らなきゃならないんだ。それで時

          ブルーマンデー③