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Garden garden

高き丘のにある 広大な庭園

人々は そこを 空中庭園 と呼ぶ

ここは一年中 季節が春の場所

ここには いくつもの春の花が咲いており

心地の良い暖かな空気が漂う

ここへ来るのは久しぶりだ

ここへ来るまでに120の階段を登った

全ての階段を登り 空中庭園に足を踏み入れると

私を白桃色の空気が包みこむ 

私がここへ来た事を心から歓迎するように 空気が踊り

若草色の大地の柔らかい感触が ここが春だという事を私に伝える

白桃色の空気に乗って 空中庭園のあるじが現れると

私の前にバスケットを置いた

確認するとそこには いちごに ネーブル キウイと 私が好きな果物が入っていた

空中庭園のあるじが 120の階段を登ったご褒美にお食べと 私に言う

良いのですかと 私は訊ねた 

あるじは 私に 「そう思う気持ちをこの果物を食べて拭いなさい」と言った

私は あるじの気持ちを汲み キウイを手に取る

不思議と皮のことは気にせず食べた

毛の感触はせず 

皮と水分を多く含んだ 果肉の甘い味が口の中に広がる

美味しい

こんなに美味しいものは いつ以来だろう

二口 三口と進み バスケットの中にあるキウイをまた手に取って 

あっという間に食べた


私は はっとして あるじの方を向く

偉い人の前で食べることだけに集中してしまった 

気遣いというものが、と思うと

「お腹が空いている証拠ですね」とあるじは言い 

バスケットの方をジェスチャーで示し 

私に もっと食べて良いと 言っているような空気をまとっていた

今度は ネーブルを手に取った

私は再び 皮ごと食べていた

理由は分からない ただ皮ごと食べていた

皮のほのかな香りと これまた水分の多い果肉が

私の空いたお腹を満たしていってくれる

いちごに手が伸びる

一番好きな果物だから取っておいた

甘い 甘い 本当に美味しい

つぶつぶな食感もたまらない

あぁ美味しすぎる

ここまで登って来て本当によかった

120段を登った甲斐があった


全てを食べ 私はバスケットに手を合わせる

お腹が満たされて 過剰な不安がどこかへと行った

顔を上げると あるじが私に

「お腹が満たされたようで良かったです」と言って

空中庭園を包み込む 白桃色の空気に乗り

「ここはとても広いです 存分に楽しみなさい」と言って

どこよりも太陽に近い場所にある 巨大な宮殿へ向かって行った


辺りをよく見回す余裕が出来て 蝶が舞っていることに気づく

樹木の近くで木の実を食べるリスがいることにも

その近くで小鳥が歌っていることにも

この庭園が この世界が 思っている以上に広いんだと気がづいた

私は この世界の美しさを少しでも多く知りたいと思い 歩き始めた


機材代に使います