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記憶フィルター

雲のように真っ白なキャンバスに新しい時が描かれ始めて数年目のこの年

いつしか僕は未来を見続けるこの島々と、惑星に住む人々が描いてきた銀色の時の世界を、たまに望遠鏡で眺めるようになっていた

そういう感覚は前からあった

それが ぐぐん とこの数週間で強くなったような気がした

今の僕には、その理由が分からない。


思えばあの世界の文化とかを見て「あの世界らしさを感じるね」なんて思うことが増えた

それが少しまた少しと、そう思う範囲が広がっていった

人間、20になると懐かしさを感じるように出来るているのだろうか

七色のきらきらイルミネーションに

電子楽器が彩るサーキットのような音色のユーロビート

なんだか物珍しさを感じた、液晶ディスプレイに映し出されるインターネットの世界とそれに接続された携帯ゲーム機

今となればあっという間だったように感じる中高生の時代

人間、20になると懐かしさを感じるように出来るているのだろうか



きっと、新たな時の世界である

新鮮な木材と、その香りが漂う時間を歩き続ける中でも僕は

あの世界の文化から、ノスタルジーという名前のインスピレーションを受けて

僕なりの形ではあるけれどあの世界の一面を造形する事も、時にあると思う

そうして僕は、出来上がった僕なりの “あの時の世界”  をボトルの中に保存して

暖かな海がある未来の方角へ向けて「こういうものがあったんだよ」と少し伝えるのだと思う

機材代に使います