どんな死を望むかは~かすみ嬢の居場所(34)


 たまには、痩せること以外のお話も。最近、世の中を騒がせている事件についてです。

 本当に死にたくて、今まで独りで寂しかったから最期くらいはせめて誰かと一緒にいたいって思う人も、いると思う。死んだほうが楽になることはわかってて、だけどきっかけがなくて死ねない人も、だからこそ、きっかけがポンっとあったらあっけなく死ぬ人もいる。何が、どんな事情があって、どんな死を望んでいるか、そんなのは人によってさまざまで、それを他の人が勝手に思い込みによって否定しちゃあいけない気がするな。
 被害者を否定してどうする。
 そしてこの考えは「死」だけじゃなくて「生き方」にしても通用すると思うよ。どんな事情があってどんな生き方を望むか、人によってさまざま。普通体型で生きている人が大多数でも、究極まで痩せたいと願う人もいる。それを頭ごなしに否定するべきではない気がします。
 少なくとも、そうやって死ぬ覚悟を決めて、今回の犯人に会いに行った人がいて、同じように覚悟を決めていろいろな代償と引き換えに痩せを望む人がいる。そんな事実から目を逸らしちゃ何も変わらないと思うの。

 死ぬときは誰かと一緒にって私は思わないけどさ。私だって、すごく淋しいもの。痩せることを至上とする考えを、身の回りの大切な人たちが理解できないことが。彼女たちが悪いとは口が裂けても言えないから、なおさら。
 だから、わかってくれる人とTwitterだけででもつながりたいって強く思うよ。

 あと、事件を受けて、自殺したいと呟くTwitterよろしくない云々って語る人は、これまで一度たりともそんなことを思ったことがなかったのかな。もう無理だって死んだほうがましなんじゃないかって感じたこと、ないのかな。ないから、そんなふうにこぼさなければやっていけない人のことがわかんないのかな。
 そんなすべてにおいて順風満帆な人生あるわけないじゃん。忘れてるだけでしょ?
 大人になるってことは、そんな気持ちを過去に置き去りにしてすっかり忘れてそんな無神経なこと言えるようになるってことなら、私いつまでもこのままでいいや。

 脱線ついでにもうひとつ。

「エス」……今でいう「百合」についてのつぶやきを見て、思い出すのは、川端康成の『乙女の港』。あんな文豪が、あんなにも理解があり美しい可憐さを表現されることに、感服したものです。
 関連で話すと「エス」じゃなくって「スール」と呼ぶ姉妹関係を描く『マリア様がみてる』も大好き。(……はじめて痩せ姫関係でない趣味を吐露してることに内心ぶるぶるです) 可愛がり守ってくれるお姉さまと、そんな姉を無条件に慕う妹と。綺麗な関係性に、憧れに憧れたなぁ。
 どうしても、男女の仲ではあり得ないだろう上品さと純粋さがあるように感じました。(男女愛を否定するわけでも同性愛を肯定するわけでもなく、ただの感想です)

 ただ、実写化された映画はちゃんと見てなくって、アニメから入り原作にはまった人間ですので、きちんと比較はできないのですが。ちらっと見た限りでは静謐な雰囲気がよく出ていたように思います。どうしてもアニメのイメージが先行して、ここはこうじゃないのに…って歯噛みする場面もありはしましたが(苦笑)
 ほら、アニメの女の子って足が綺麗にほっそいので…(苦笑)

 なんて、脱線はこれくらいにして、私は痩せることに頑張ります。

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