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寄付という名のどろぼう

昨日、外壁工事の最終の代金を払うのに 久しぶりに朝早く出かけた。

もう、9月も半ばになろうとしているのに、まだまだ暑い

銀行に一番に飛び込んで、治りかけの風邪に「鼻うがい薬」を買うことを思いつく

先日ピーコックに行って「薬はおいていません」と言われ「調剤薬局なら あるかも…」とのご親切に、調剤薬局に向かう

「あ~、うちは 置いてないですねえ。ちょっと離れてますが、ココカラファインなら あるのでは…?」

「え~、!?」と言いながらも、乗りかかった舟

出来るだけ緑の木陰の遊歩道を選んで「これも、運動!」と自分に言い聞かせ、ついたところが「今のところ、鼻うがいの詰め替え用しかないんで…」

「そんなの買われへんやん!在庫しらべてへんの?」思わずきつい言葉を発する。すると「店長が勝手に品をおくと、怒られるんで…」と、返ってきた。

「なんで?店長誰?」「まだ来てないんで…」あきれてものが言えないとはこのこと!それから、しばらく店員の愚痴を聞いて「市駅に出るしかないなあ~!」仕方なしに、このままの勢いでバスに乗って市駅に出ることにした

この前は何時バスに乗ったっけ? 長い間バスに乗る機会が残暑と風邪に はばまれて 思い出せないくらい!

暑さを避けて、朝はやく出て来たから わりあい風が心地よく感じた。


市駅に着いてOSドラッグに飛び込んで、ようやく目的のものを手に入れて、やがて迎える娘の三回忌の為の品を 下見しようと京阪デパートを覗く。

しかし、まだ9月の半ば、10月になると品物も秋本番に変わるとのことでデパートを後にした。

そこで、ユニセフのチラシを持った若者が 大声で寄付を募っていた。

私は、若者の一人に訴えた。

「ユニセフって寄付でしょ?以前、年一回ユニセフから赤い振込用紙が届いて自分の意志で金額を決めて寄付していたんよ。それが、最近一日100円月3000円を引き落としになっているでしょ?、それって 私は抵抗があるの!私も 年金生活者だから、ギリギリのところでも 私の気持ちで寄付をするのなら喜んでするけれど、毎月引き落としではする気がしないのよ。
それって、上の人に言うといてくれる?」

若者は 真剣にわかろうとしているようだった。


すると、リコーダーの素朴な音色のちょっと哀愁をおびた旋律が聴こえてきた。遠巻きに聞いていると色白の日本の30代くらいの女性が吹いている。
前の籠には「戦場に取り残された動物に 愛の手を!」と書かれていた。

私はその人に声をかけた。
「どうして、この活動をしようと思ったのですか?」
彼女の手元にある楽譜は びっしり音符でうずまっていた。
「テレビで 戦場に取り残されている動物を見た時、居ても立ってもいられなくって…」
私は財布から500円玉を取り出し、籠の中に入れて言った。
「いいことだと思うけど、この籠の前にこの寄付は00銀行に入金いたします。と書いておいた方がいいと思うよ」
彼女は 「ありがとうございます」と言った。

直ぐ近くで3人の女性が何やらパンフレッドを手にして、呼びかけていた。
引き寄せられるように 私は近づく。

感じのいい女性たちだった。よせばいいのに
「どういった関係のかたたちですか?」と聞いていた。

口々に何やら語り掛ける。
「聖書はご存じですか?」
「何回も 読みました。」
「お家が キリスト教でも?」
「いえ、私の家は仏教徒です」
「それでは、学校関係で?」
「そうです。神父様ともおともだちで」
「そうですかあ」

「統一教会じゃないですよね」
「私たちは…」
「ああ、エホバの? ここに書いてありますね」
「はい、ご興味ありますか?」
「ううん、一神教は… 教えが偏っていますね。その点 仏教はおおらかです。束縛もなにも ありませんから」
そこで、数人の上品な淑女が現れた。立ち番の交代なのだろう。

私はすぐに「買い物も終わったし、失礼します」とその場を去った。

帰りのバスの中で私は 思い返していた。
お正月の初参りの沿道で 子供たちがあちらこちらで
「恵まれない子供に おねがいしま~す」と、立っていたことを。

いたたまれなくなって、一つのグループに心ばかりを入れた。

夫は「あれは 統一教会やで!」と言った。


ひょっとして、あのリコーダーの女性もエホバの証人の?


誰を信じて どこに気持ちを持っていけばいいのか…?


コープでも一口100円から好きな金額をすきな時にすることができる。

それが一番の安心かも知れない。



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