見出し画像

保育園での調理

保育園給食話
『味がしないお吸い物』

メニューに筍のお吸物がでた。
いつもイリコと昆布で出汁をとるが、その日は昆布と鰹節(勿論別々に)の出汁をとって香りも閉じ込めて薄口醤油で軽く味をのせ提供。
いつもとは違った、香り、そして何よりも出汁の深みが全く違った。
飲むたびに『じわーっ』てくる旨さがある。

職員も子ども達と同じ給食を食べてる。
自分の場合、乳幼児の給食なので咀嚼によって素材の味を感じられるよう薄味で、素材の味がしっかりでるように工夫しながら料理をつくってる。

その日ある職員に『あれ?味がしない』って言われた。
一方、保育士さんからは『子ども達が今日の吸い物すごく美味しい!』(内心、きっといつも美味しいはずと信じてる)
って子ども達は何度もおかわりしたらしい。

子どもは微妙な味の違い(出汁が違うこと)にも気づいたらしい。
(職員からは出汁の違いを問われることはなかった)

人が味をキャッチする舌にある【味蕾-ミライ】っていうのは高齢になるにつれて半分程度になることもあるらしい。
→で、味がしなーいってなって濃いめに味をつけるようになり、その小さな習慣が何十年も続いた結果、塩分の過剰摂取で高血圧とか、、、云々

旨味について調べたら特に乳幼児をはじめ子ども達にとって生きる為に必要なんだって。
確かに産まれてから最初に口にする母乳(旨味成分たっぷり)をはじめ、本能的に必要だから美味しく感じるようにできてるんだろうなって思った。

そして成長するにつれて味による経験を重ね、旨味よりも甘味や塩味、コーヒーなどの苦味に嗜好が向いていくんだろう。

表面的な分かりやすい味の方が好まれるなーとは感じていたけど、今回の経験はとても興味深かった。
ある管理栄養士さんにも、乳幼児は咀嚼が長く味を探すようにご飯を食べると言われたことがある。

いつまでも子ども達に美味しいと言われる料理、ピッツァをつくろう。

本能的に感じる料理。
シンプルに素材をいかそう。

Ringrazzi

北海道から福岡まで南下しながら食文化を感じる旅をしています。 イタリアを放浪して、その土地どちで食文化や、歴史的な背景が違いを感じました。 日本の文化を次の世界に残したいと思います。 交通費、滞在先の飲食に遣わせて頂きます。 途中、寄ることができればお食事も造らせて頂きます!!