最近読んだ本まとめ 1/23~2/7
*こそあどの森⑥
「はじまりの樹の神話」 岡田 淳
「森のなかに、死にそうな子がいるんだ」
こそあどの森⑤「ミュージカルスパイス」に出てきたホタルギツネがスキッパーに助けを求めにくることから始まる物語。
森の中にいたのは巨大な木にくくりつけられている女の子。
なんと時間を超えて昔の時代からやってきた女の子だった。
「わたしの考えはこうよ。ややこしい話をきくには、まずお茶をいれる。お茶を飲んで、気分をおちつけて話をきく、それがいいと思うの」
(69ページ トマトさんより)
「ハシバミ、最後にひとついわせてくれる?あなたは逃げたことをずいぶんと気にしているけれど、あのとき逃げたから、多くのことを学べたのじゃないの?ときには逃げることも必要なのよ。これからだって、そうよ。逃げてもいいのよ」
(271ページ スミレさんより)
「(前略)もちろん剣はひとを殺す武器さ。けれど金属がひとを殺すんじゃない。ひとを殺すのはひと。ひとの暮らしを豊かにするのも、ひとさ。それにね、剣はたしかに武器だけど、ひとを殺したり傷つけたりしない剣もたくさんあったと思うよ。(後略)」
(304ページ バーバさんより)
*こそあどの森⑦
「だれかののぞむもの」 岡田 淳
スミレさんは詩に出てくるひとに、ギーコさんは会話のできる人形に、ポットさんとトマトさんはトマトさんとポットさんに出会う。
こそあどの森の住人たちがそれぞれに会いたいと思ったひとたち(人形)に出会う嬉しくも不思議な体験をするなか、こそあどの森の住人たちにバーバさんから15ページにわたる長い手紙が届く。
(以下バーバさんからの手紙本文より抜粋)
ホェア村のの村長さんから、こんな話をききました。ある生きものについての話です。その生きものの名前はフーといいます。フーはひとの心を読みます。そして変身できます。ふだんは、かってにひとの心を読み、自分の好きな形に変身しているフーですが、変身に慣れてしまったフーは自分を見失い、心を閉ざし、最後には死を選ぶ、と村長さんはいうのです。
わたしは、フーに会っていたのです。わたしは会うはずのないひとと会いました。二十年前に死んだひとです。
フーが今どれだけ心を傷つけ、どれだけ心を閉ざしているか、それはわかりません。けれど、自分を見失っていることと、悲しい結末にむかっていることは、まちがいありません。
そこで、お願いがあります。もしも、あらわれるはずのない、あらわれてほしいものやひとがあらわれれば、それはフーです。フーにあったら、自分がフーであることを思い出させてやってほしいのです。
自分を見失ったフーが森のなかにいるのはたいそう危険なことです。ウサギが食べたいと思っているオオカミに出会ったら、フーはまよわずウサギになってしまうのですから。
(バーバさんからの手紙より)
ふたりはたいてい、いっしょに歩きます。食べるものをさがすなら、べつべつのところを歩いたほうがたくさんさがせるはずです。けれど、それではおしゃべりができません。すてきな景色やきれいな花は、いっしょにそれを見るひとがいると、もっとすてきに、きれいに見える、とふたりが思っているからです。
(56ページ ポットさんとトマトさんの場面より)
今のトマトさんのことは笑ったのに、昔のトマトさんのことは心配している。トマトさんは、昔と変わってしまったと思ったけど、ぼくも昔と変わっている…!これは、それを教えるために、森がぼくにおくってくれた夢じゃないだろうか。
(68ページ ポットさんとトマトさんの場面より)
なりたくないものになってしまい、したくもないことをしてしまったフーは、自分でも気づかないうちに自分の心を傷つけていきます。それが重なると心がだんだん閉ざされていきます。自分を見失います。自分がフーだったこともわすれてしまいます。
(93ページ バーバさんからの手紙より)
「ひとを喜ばせただけっていうけど、ひとを喜ばせるのがいつもいいこととはかぎらないわ。あなたのためにも、そのひとのためにもね。それが、いいことかわるいことか考えなければいけないわ。だからそれを考えられるように、自分をとりもどすことが必要なのよ」
(152ページ スミレさんより)
「心を読めて、そう、変身ができる、それが、フーなんです。ただ、自分の、ですね、気持ちをしっかりと持っていること。そうすれば、だいじょうぶですよ、ええ」
(170ページ トワイエさんより)
*「仕事も暮らしも3で割るイギリスの習慣」
井形慶子
*「少ないお金で夢がかなうイギリスの小さな家」 井形慶子
*「イギリスの夫婦はなぜ手をつなぐのか」
井形慶子
イギリスの素敵な習慣、考え方が多すぎて書ききれないのでタイトルだけここにご紹介して終わります。
どれも良い本でした。
特にこそあどの森⑦「だれかののぞむもの」は強いメッセージを感じてはっとさせられる場面・言葉が多くありました。
今回はどれも簡単なあらすじと好きな言葉たちを羅列する形になってしまいましたが、気になる方はぜひ読んでみてください。
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