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#恋愛小説

嘘つきと嘘つき

前に書いたものです。いつかはハッキリしません。

「なぁ、触ってもいいかい。顔を近づけておくれよ」
 私は眼鏡を外したのち、目をつむり、言われた通りに顔を近づけた。かみさまの手はひんやりとしていて、頬を撫でたのち、顎を、人中を、下唇を、鼻筋を、眼窩を撫でた。私の顔のつくりを確かめるようだった。
「楽しいですか、これ」
「楽しくなければしちゃあだめなのかい、いいでしょう」
「でも、楽しくないのにしな

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