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東京都知事選主要3候補の公約をコスメに例えてみた!

なぜ選挙でコスメなのか?


マニフェストについて語る人は、政治について詳しくて、客観的で中立でないといけないと思っていた。
でも最近コスメのレビューを見ていて、だいたいが素人の主観で書かれているのに、誰も文句を言っていないことに気づいた。しかもコスメのレビューは年代や肌タイプを明らかにした上で書いている人が多く、それと自分を照らし合わせて合うコスメか見極めることができる。

なぜそれを選挙でやってはいけないのだろう?

コスメを語るように選挙を語りたい。だから今回私は自分のタイプを明らかにした上で、主観で偏ったレビューを書きたいと思う。コスメレビューのように。

私のスペック

30代シス女性。
独身の会社員。
地方出身で大学で上京した。
男社会で苦しみジェンダー問題に関心を持つ。
中立ではない。
敏感肌。

3人をコスメに例えると

公約をコスメに例えたら?

小池案はポイントメイク。

一瞬で、パッと華やいで見える。
ポイントポイントでポジティブを足すアプローチ。

蓮舫案はスキンケア。

大きな悩みの根っこに向き合い、時間をかけて解消する。ネガティブをなくすアプローチ。

石丸案は美肌フィルター。

今っぽさがあり YouTubeやSNSでの映えは抜群。 リアルをよくする力は未知数。

各アイテムの機能自体が悪いわけではない。ただどのようなケースに対してどのように使うかが問題なのだ。

小池案

ポジ

  • キャッチーでキラキラネームな案が多い。こんなに色々嫌なこともあったのに、実は中身はふんわりしてたり、考え方がやや古かったりするのだが、それを素敵に見せることがとても上手。まさにコミュニケーションの賜物であり、それこそが小池ブランドを長く支えているのだろう。

  • すでに結婚・出産・子育てをしてる人の負担を  軽くする施策が盛りだくさん。 ※選挙前と言わず8年前に出して欲しかった!

  • 「男女の賃金格差解消」はいいが、どのような中身になるのかは要チェック。

  • 現職らしく幅広い施策を網羅しているのはさすがと言える。

ネガ

  • 結婚・出産どころじゃないほど経済的、精神的に余裕がない人、結婚・出産をそもそも選ばない人には直接的な恩恵が少なく感じるかも。子持ちの友達が楽になってくれたらうれしいとは思う。

  • 「輝く女性」という表現がキラキラネームすぎる。仕事と家庭の両立ができるスーパーウーマンを増やす方向ならもういいかな。男性が仕事と家庭の両立ができるよう、男性育休を増やした方がいいと思う。

  • 「年収の壁をなくす」マニフェストがあったので気になって記者会見を見たが、女性本人の意識啓発やクーポンなどふんわり話していて、本当は女性が働かない理由は他にあるのに、女性が自分で変われと言われてるような印象だった。

  • 在任中、東京五輪施設の年10億の赤字、48億円のプロジェクションマッピング、AI婚活アプリに5億円など、謎のお金の使い方が目立った。

  • 外苑前の森を伐採してビルを建てる計画を強行に進め中。なのに「グリーンビス」という意味不明なのを提案している。じゃあ木を切らなければいいのに。

こんな人におすすめ


いまの路線を何一つ変えずに 継続してほしい人にはおすすめ!

小池公約 主観入り

蓮舫案

ポジ

  • 小池知事のいい政策は継続するので、蓮舫案と  小池案の「いいとこ取り」ができる。(第一子保 育料無料・高等教育無償化・無痛分娩助成など)

  • 若者の手取りを上げるという施策は、結婚・出産した人だけなく未婚者にも恩恵がある。子持ちと子なしの分断を産みにくい世の中になるのではないかと思う。

  • 結婚ゴリ押しではなく多様な人生の選択肢を応援。正直結婚結婚言われて辟易してる人には、そう言うメッセージが行政から発信されない空気はかなりありがたい。

  • 追加の公約に緊急避妊薬を薬局で買えるようにすることも含めた性暴力被害者への支援充実が入っている。正直これは感動だった。ジャニーズの性暴力を起こしてしまった東京だからこそこう言うのは必要ではないか。

  • 保育、介護、医療に関わる若者の奨学金を支援するのはとてもいいと思う。私たち現役世代が働いていけるのはこの人たちがいるおかげなのだから。

  • 外苑の樹木の伐採を住民投票にするところ。

  • 政治資金パーティーをやらないこと。

  • 全体を通してキラキラを足すのではなくネガティブをなくすという姿勢である。

ネガ

  • パッと見で理解するのは難しく、忙しくて政治を諦めてしまった人には理解する難易度が高いかもしれない。

こんな人におすすめ

小池都政の謎なとこはなくしていい政策は残したい人におすすめ。

蓮舫公約 主観入り

石丸案

ポジ

  • YouTubeやSNSでの発信力、そこにかけたであろう多大なるリソースはシンプルに尊敬できる。東京都の発信に彼自身の発信ノウハウを生かしていくという施策は気になる。実は彼の支持者さんがよく私のインスタのコメント欄に訪れる。参院選で山添拓さんの動画がTikTokでバズったが、あの時のコメント欄のような熱狂を感じる。2人が全然違うタイプの政治家と言うことは分かっているのだが、一般人にも分かる言葉で話してくれて、モヤモヤを晴らしてくれる政治家さんは稀有だ。主権者教育を受けられない国で、それでも政治に関心を持とうともがいている人にとっては、暗闇に輝く蜘蛛の糸のように見えると思う。

ネガ

  • 小池案、蓮舫案の方が東京の幅広いトピックを網羅してる。東京都知事という職種へのこだわりがもう少し感じたかった。

  • 「ジェンダー平等」「ダイバーシティ」「性的マイノリティ」「女性活躍」といったワードがなく、東京の持つ多様性がそんなに視野に入っていない印象。もしかしたら他のところで言っているのかもしれない。でも政治家の看板である公約で言っていないということは、そんなに重要視はしていないと言うことだ。

  • 「保育」「介護」などの福祉ワードがない。誰かのケアを必要とする人やケアする人をそこまで重視してない印象。世の中に保育や介護のお世話にならないで済む人はいないだろう。でも地味な暗いことより、「自分って最強!パワー!」な気持ちになりたい時ってあるよね。そんな感じのマニフェスト。

  • 東京一極集中をなくすという案があるが、もし東京から人をリバランスするとしたら、誰かがそのリバランスの対象になるのか。もし地方の魅力をアップさせてリバランスを促すのだとしたら、地方の首長ではなくなぜわざわざ東京都知事になるのか、理解が追いつかなかった。

こんな人におすすめ


石丸さんのことが好きな人、 多様性や福祉があまり気にならない人におすすめ。

石丸公約 主観入り

今の東京に必要なのは?

東京都は、というか日本は、毛穴やシミやシワや吹き出物など、根深い悩みを抱え続け、それなのに放置されてきたお肌みたいなものではないだろうか。

肌コンディションがイマイチでも、マスカラやつけまやチークやリップでポイントメイクをすれば、顔は変わって見える。
美肌フィルターを使えば、もっと変わった気持ちになれる。最先端の技術で、モデルやアイドルのように見せることもできる。それで一瞬でも幸せな気持ちになれたら、それもいいと思う。

だけど、どんなにポイントメイクしても、美肌フィルターを使ったとしても、根深い肌悩みは本質的には解決しない。ていうかスキンケアをして肌が健やかに満ち足りたら、その時こそポイントメイクは映えるし、美肌フィルターがなくても平気になるかもしれない。

私は今の東京都に必要なのは、スキンケア発想だと思う。で、それができる候補は蓮舫さんだ。蓮舫さんの案は、キラキラはしていない。若者の不安定雇用をなくしたり、奨学金地獄をなくしたり、マイノリティの社会的な不利益をなくしたり、性暴力被害者をケアしたり、気分が暗くなる人もいるだろう。
でも、そういう深刻なネガがない社会はどれほど安心だろうか。ネガは完全になくなりはしないけど、なくそうとしてくれるリーダーがいる社会はきっと違うはずだ。

正直もっと早くネガと向き合っておくべきだったかも。今からじゃ手遅れかも。でも今もし何か始められることがあるとしたら、その第一歩は蓮舫さんを選ぶことだと思う。