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一問一答!建築のキホン⑩

このnoteでは、『月刊不動産流通』の過去の記事を紹介しています。

今回は、「一問一答!建築のキホン」
建物の構造、関連法規の基礎知識を、(株)ユニ総合計画の秋山英樹氏がQ&A方式で分かりやすく解説するコーナーです。

『月刊不動産流通2019年11月号』より、「前面道路が変形していて幅員が
一定ではない場合の幅員の計測方法は?」
を紹介します。

Q 前面道路が変形していて幅員が
一定ではない場合の幅員の計測方法は?

A 幅員4 m以上の前面道路で、敷地に2 m以上接している部分の最
小幅員が、容積率算定に用いる道路幅員となっています。

道路幅員は、
容積率の算定に必須

建築基準法では、建築物を建てる場合、敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない、と定められています(図1参照)。

図中のW(道路幅員)は、道路管理者が作成した道路台帳を閲覧することで確認できます。道路幅員は、容積率算定に必要なため、極めて重要であり重要事項説明書にも記載します。容積量の算定は、前面道路の幅員が12m未満の場合には、道路幅員に0.4(住居関連用途地域)または0.6(住居関連用途地域以外)を掛けたもの指定容積率(都市計画で定められた容積率)とを比べて小さい方を基準容積率とし、容積率の最高限度として適用します。なお、地区計画で0.4→0.6、0.6→0.8と指定している場合もあるので、注意してください。

道路幅員の計測には
さまざまなケースがある

では、図2のように幅員が変化している道路に接している場合は、どのよ
うに考えたらよいでしょうか。道路台帳に幅員の記載がない道路について
は、幅員4m以上の道路において、敷地に2m以上接している部分の最小幅員が幅員となります。

図3のような丁字路の場合はどうでょう。このケースでは、図中W1とW2のうち広い方を容積率算定に用いる幅員とすることができます。一方、図4のように前面道路が部分的に広いケース(いわゆる蛇玉道路)では、幅員が広い方は容積率算定に用いる道路幅員だと認められない場合が多いです。念のため、その地域の建築指導課に指示を仰ぎましょう。

また、建売住宅でよく見られるのが、図5のように路地状敷地の場合と、図6のように、道路のないところに新たに私道を設け、特定行政庁から位置の指定を受けた「位置指定道路」の場合です。前者はW1、後者はW2が前面道路の幅員となります。

容積率だけを考えた場合、路地状敷地とした図5の方が有利です。ただし、東京都のように、路地状部分の長さ(L)が20mを超えると、その路地は3m以上の幅員が必要となる場合があるため、留意しましょう。

◇  ◇  ◇

道路幅員が一定でない場合は、役所の道路管理課で認定幅員を調べ、認定幅員を基に建築指導課で前面道路の幅員をどう考えるかを相談しましょう。

最近は、指定民間確認機関が増え、多くの確認申請が民間に出されていますが、道路の見方・考え方については役所に委ねられています。道路について
は、すべて役所と協議することが必須です。


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