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【最新号試し読み】月刊不動産流通 23年9月号

月刊不動産流通2023年9月号」が発売となりました。

その中から、
・流通フラッシュ「子育て世帯にやさしい住まいと支援を」
・特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part4 Z世代の賃貸ニーズ」
・連載「電鉄会社のまちづくり Vol.7 西日本鉄道(株)」
の試し読みを掲載します。

試し読み①(全文掲載)
流通フラッシュ
「子育て世帯にやさしい住まいと支援を」

持続可能な地域社会の実現に向け、
安心して暮らせる育児環境を整える

 少子化対策が我が国の喫緊の課題となる中、住宅・不動産分野でも「子育て世帯にやさしい住まい」への取り組みが求められている。

 政府が6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」でも、子育て世帯が入居しやすい住宅を確保するため、今後10年間で公的賃貸住宅20万戸の供給、既存民間ストック10万戸の活用という目標が掲げられた。
 
 住宅・不動産業界では、これまでも子育て世帯が使いやすい広さや間取りに配慮した住まいの整備が、多くの事業者により進められてきた。近年では、子育て世帯が優先的に入居できるようにした賃貸住宅も増えてきている。
 
 さらに最近は、子育て世帯が安心して暮らせるよう、さまざまなソフトサービスを提供する不動産事業者も出てきた。ある民間賃貸住宅では、入居者を子育て世帯に限定。棟内のキッズスペースに保育士資格を持つ管理人が常駐し、入居者同士のコミュニティ形成支援や子供の一時預かりなどを行なうことで、若い両親が抱え込みがちな育児ストレス軽減につなげている(巻頭頁参照)。こうした取り組みへの評価は高く、入居待ちのユーザーもいるほどだという。また、敷地内の交流スペースを活用し、子供向けのイベントや情報発信を通じて、若い子育て世帯を呼び込み、地域に新たな賑わいをもたらしている公営団地も見られる。
 
 若い子育て世帯を地域に呼び込むことは、同じく社会課題となっている高齢者世帯の増加や空き家問題の解決にもつながる。誰もが住みやすい持続可能な社会の実現に向け住宅・不動産業界にもさらなる取り組みが求められそうだ。

試し読み②(一部掲載)
特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part4
Z世代の賃貸ニーズ」

 近い将来、消費のメインターゲットになるとされている「Z世代」。独自の価値観や消費行動を持つと言われるこの世代は、賃貸物件を選ぶ際、何を基準としているのだろうか。
 今回は、Z世代に支持されている賃貸物件を仲介・管理・運営する事業者の取り組みを取材、Z世代の賃貸住宅探しの傾向や特徴、“刺さる”商品企画などを探ってみた。

Z世代は堅実でリアリスト。
住まいで重視するポイントは?

ネット成熟期を過ごし、
独自の価値観を持つ

 
“Z世代”とは、一般的に1990年代中頃から2000年代終盤までに生まれた世代とされている。物心がついた頃からインターネットに触れて育った「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代だ。LINEやInstagram、TwitterといったSNSを使いこなし、自分にとって価値があると思う情報などもSNSから収集、自分の意見もウェブサイトやSNSを介して発信する。

 一方で、低成長時代を生きてきたZ世代は、消費の面では極めて堅実で、現実の生活を重視する“リアリスト”な面を持つ。「失敗」を極度に嫌い、商品の購入やサービスを契約する際には、SNSを中心に丹念に情報を収集。その商品やサービスを選ぶことにどのような価値があるかを確認し、価格が価値に見合っているかを慎重に吟味した上で購入する(「コストパフォーマンス(コスパ)」を重視)。また、自分らしさを尊重することがベースにあるため、ブランドよりも“体験”を優先する「コト消費」の傾向も強い。加えて、「動画は1.5倍速で視聴する」など、世の中にあふれている情報を短時間で効率よく取得したいという「タイムパフォーマンス(タイパ)」も重視する。

 アットホーム(株)が、賃貸物件で一人暮らしをしているZ世代(17~26歳)の400名を対象に行なった、ライフスタイルや価値観に関する調査でも、「タイパや効率性は重要か」「流行のものよりも自分がいいと思ったものを優先したいか」「モノを買うときコスパを重視するか」についての問いに、約7割が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答。Z世代の時間やお金などのコストにシビアな考え方が浮き彫りになっている。

 SNSなどでさまざまな価値観を持つ人と関わりを持つことで、他者の個性を受け入れ、尊重し合う「ダイバーシティ(多様性)」の考えが根付き、学生時代に「サステナビリティ」「SDGs」などの教育も受けていることから、環境問題にも関心を持つ。今後、消費の中心として市場を牽引していくと考えられるZ世代。この世代の特徴や傾向を知ることは、賃貸仲介・管理事業者が今後の事業戦略を考える上でも重要なポイントになるだろう。では実際、Z世代がどういった住まいや関連サービスを求めているのか見ていこう。

コスパ・タイパ重視
“広さ”より家賃と時間を節約


3畳の狭い空間でも
充実した設備で快適生活

 新宿や恵比寿、目黒など東京23区内の人気エリアの駅周辺で賃貸アパート「QUQURI(ククリ)」を展開する(株)SPILYTUS(東京都港区、代表取締役:仲摩恵佑氏)。ククリは「3畳ロフト付き」の物件が基本で、白い壁と平均3.6mの天井高を確保することで圧迫感を軽減。3畳のリビングの上にロフトを設けている。オートロック、無料インターネット、洗浄機付きトイレ、シャワールームなど、快適に暮らせる設備を導入。狭い分、家賃は周辺の相場より2万~3万円抑えて提供する。

 2012年に同社を創業した仲摩氏は、八王子の自宅から当時新宿にあった会社まで毎日往復2時間をかけて通勤しており、「時間がもったいない」と常々思っていた。新宿界隈で住まいを探したが、家賃が高く、安い物件になると古くて風呂もない。「仕事が忙しく家にいる時間が短い若者にとっては、狭くても使い勝手が良く勤務地に近い賃貸住宅のニーズがあるのでは」と考え、「3畳・ロフト付き」の部屋を思い付いたという。

 現在、約100棟・1500戸にまで増加。20歳代前半の入居者が多く、稼働率は98%超を維持しており……(続きは誌面でご覧ください)

試し読み③(一部掲載)
連載「電鉄会社のまちづくり Vol.7 西日本鉄道(株)」

 福岡県一帯に、天神大牟田線、太宰府線、甘木線、貝塚線の4路線を延ばす西日本鉄道(株)(福岡市博多区、代表取締役社長執行役員:林田浩一氏)。現在、ターミナル「西鉄福岡(天神)」駅(福岡市中央区)周辺の再開発に精力を注ぐ。福岡市が主導する再開発促進事業「天神ビッグバン」を追い風に、築古施設の建て替えを加速。地区内に不足していたハイグレードオフィス等を整備することで、まちのさらなる活性化を目指している。

天神
国内外のワーカーが集う
「アジアのビジネス拠点」へ


10年を超える一大事業
「天神ソラリア計画」

 「西鉄福岡(天神)」駅は、西日本鉄道㈱の基幹路線・天神大牟田線の起点であり、福岡市内では「博多」駅に次ぐ乗降客数を誇る屈指のターミナル駅だ。その天神地区では今、西鉄グループの関連施設を含め、多数の建て替えプロジェクトが進行。「100年に1度」といわれる大変革期を迎えている。

 同社の前身の一つ、九州鉄道㈱が「九鉄福岡」駅(現・「西鉄福岡(天神)」駅)を開業したのは1924年。36年に駅舎を南側に移転し、隣接地に九州初となるターミナル百貨店「岩田屋」を誘致。これを皮切りに、同社は駅周辺での商業集積を加速していく。61年には、天神地区のメインストリートである明治通り・渡辺通りが交差する天神交差点角地に複合施設「福岡ビル」(2019年3月閉館)を竣工。オフィスフロアには同社が本社を移転、商業フロアには市内初の総合インテリアショップ「NIC(ニック)」を開業し、新たなにぎわいを生んだ。1976年に「福岡ビル」の隣接地で開業した都市型ファッションビル「天神コア」(2020年3月閉館)は後年、「ギャルの聖地」として話題となった。

 1980年代に入ると、天神は再開発により大きく様変わりしていく。86年、同社は「天神ソラリア計画」を始動。ターミナル機能の向上等を目的に、駅舎を南(現在の位置)に移転。周辺街区を再整備するという、工期10年を超える一大プロジェクトだった。89年、駅西側の「福岡スポーツセンター」跡地でファッションビル「ソラリアプラザビル」を開業。97年には中核施設となる駅ビル「ソラリアターミナルビル」を竣工し、電車・バス・タクシー等の交通機能を集約。商業フロアには「福岡三越」を誘致した。99年、旧駅舎跡地にファッションビル「ソラリアステージビル」を開業、同計画は全体竣工を迎えた。これらの施設により、同社は「商都」としての天神の発展を牽引して……(続きは本誌にてご覧ください)

その他さまざまなコーナーが有ります

月刊不動産流通2023年9月号」では、この他にも不動産実務に関わるさまざまなコーナーを掲載しています。

・一問一答!建築のキホン
「二世帯住宅か敷地内同居かを悩む顧客にアドバイスしたいのですが…」

・宅建業者が知っておくべき『重説』に必要な基礎知識Q&A 〜建築編
「建基法第42条第1項第5号道路」

・不動産登記の現場から
「相続登記の申請義務化(2)」

・関連法規Q&A
「宅建業法上のクーリング・オフ制度について教えてください。」

・適正な不動産取引に向けて―事例研究
「従業員の競業避止義務違反により生じた損害に対する雇用主の損害賠償請求が認容された事例」
                             
などなど…

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ご注文方法

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☎ 03ー3580ー0791


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