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子どもたちは、楽しさでも導いていけることを忘れずに

こんにちは。
幼児教育と社会を結ぶ、〈幼児教育ドラマトゥルク〉として活動しています。

緊急事態宣言から開けて、やっと、保育の現場に入ることが叶いました。

若い保育者たちは今、どんなことに悩み、どんな壁にぶつかっているんだろうか?どんな気持ちで保育をしているだろうか?ということを、ようやく見つめながら活動ができています。

若手の先生たちの様子、特に1年目の先生たちの様子を見せていただきました。

現場に入る前、子どもたちとどんな活動をしようか?どんな楽しさを共有しようか?想像しながらすごす人も、現場に入れば、まず「安全に、何事もなく、お子さんを家に帰す」ということに気を取られるようになってしまいがちです。

安全はとっても大切なことですが、お子さんたちは、ただ安全に過ごし、お行儀よくして暮らすのが保育の場所では有りません。教育の場所として見れば、子どもを預かってもらう、のではなく、子どもに集団での生活や、家庭では出来ない体験をしてほしい、というのがもともとの願いのはずです。

その前提をベースに、今回は、子どもたちを<楽しさでも導いていく>、ということを取り上げていきます。

特に低年齢のクラスで起こること

3年保育の幼稚園であれば、通常3歳で幼稚園へ通い始めます。集まる子どもの特性に違いはあれど、スタートは同じ。最初は、親元から離れることに泣いてしまう子、部屋から出ようとしてしまう子。様々な姿が見られます。

そうしたお子さんたちと、どうやって関わっていくか?日々の積み重ねで、子どもたちの園で過ごす姿に変化が現れます。

以下では、やさしい先生、何でもOKの環境、だけではうまくいかないことへの、現場での実践例をまとめています。

保育者の軸をしっかり通すこと

私は、自分軸というものが有るとすれば、ブレることが有るのは当然ですし、ブレながらも、しっかりとまた元に戻ってこられる力が大切だと思っています。

しかし、保育の時間は、担任の先生の軸はしっかりと据えられていることが大切です。部屋で過ごすときの約束事が、曖昧になる。あまりにも、逸脱したお子さんを目にすると、「仕方ないかな」と諦める。そういう心の迷いを、お子さんたちは敏感に感じ取ることが出来ます。

「これは、危ないからしてはいけない」と、担任が心に決め、「このくらいはいいか」を行動に移さないことで、子どもたちも少しずつでも自分自身で自分を律することが出来るようになります。

でも、先生も間違えることはありますよね。お子さんたちのほうが正しかった、ということは有るはずです。その時も、軸がブレないこと。「えっ?私まちがってたのかな・・・?」と弱気になったりせずに、「そっか、先生が間違ってたね、ごめん!今度からは違う約束に変えよう」と潔く、認められる姿勢が必要です。

しっかり導くための予測と対処

お子さんと楽しく活動するためには、楽しさを阻害する要因を予測して、あらかじめ対処法を準備しておきます。今のこの時期のお子さんたちだったら、粘土工作の活動中に、粘土を投げて遊んでしまうかもしれない。だとしたら、予めそれはいけないことだと、伝えるという時間をつくろう。

こうして、リスクを回避するように、お子さんの反応を予測し、活動がスムーズになるように組み立てていきます。

子どもたちの楽しさを忘れずに

ここで忘れがちになるのは、ひとつひとつの活動の中で体験する楽しさ、興味を惹かれるような活動自体の魅力、没頭してしまうような時間など、お子さんたちの体験です。

でも、そもそも幼稚園にはこうした楽しさを体験しにきているのに、それが保育の要素から抜け落ちてしまうのはとても残念です。

幼稚園は、安心安全を感じながら、子どもらしい活動をおもいっきり楽しむことが保証されている場所です。安心の中で過ごしながら、自分の好きなものを見つけていき、この安心の領域を飛び出してでも、突き詰めていこうと思えるものを見つける場所です。

だからこそ、様々な体験をしに、遊びにやってくるのです。道具が使えるようになったり、じっと待てるようになったりするのは、その過程の中で身につける、あるいは、好きなことをするために必要だと思って子どもたちが取り入れていくことです。

楽しさでも導いていける

楽しく活動できるように、その阻害要因を取り除いていく、という事を伝えました。それは、しっかり活動に向き合えるように準備をするためです。でも、その役割は、楽しさでも果たすことができます。

いつもは教室を歩きまわりたくなってしまう子が、粘土で形をつくる楽しさに没頭している。その遊びのおもしろさがあれば、予め「歩き回るのはやめよう」と伝える必要も無かったりします。

先生自身が楽しい

子どもたちが遊びに没頭する。そうすると、先生たちもきっと楽しさを分かち合えます。

自分の考えて、用意してきた保育を、子どもたちが夢中になって楽しんでいる。嬉しそうに笑っている。「こんなことを体験して欲しい」と願っていたことが、現実になっている。

こうしたことが先生の喜び、糧になるはずです。

なので、どうか、自分のためにも、子どもたちのためにも、ひとつひとつの活動の中に、楽しさを用意して保育に臨むことを、大事にしてください。


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