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あなたの立っている高さから目標の到達具合はどのように見えていますか? 組織・チーム・個人それぞれで立てた目標が適切に機能していますか?[チーム編 #29]

目標は、事業の構造、活動、人事の基盤となるものである。全体の構造だけでなく、個々の部門と個々の仕事の内容を規定するものである。

マネジメント(上)』 第Ⅰ部 マネジメントの役割 p131より


下の図は、ドラッカー先生の提示するマネジメントの体系を図式化したものです。

体系図

青枠の「社会」「組織」「個人」にはそれぞれ、事業のマネジメント、組織のマネジメント、セルフマネジメントがあります。
組織のマネジメントの中には、仕事のマネジメントと人のマネジメントがあります。

体系図2

この部分が、マネジャーのお仕事です。
仕事のマネジメントには、「仕事を組織化する」というお仕事が入ります。
人のマネジメントには、「コミュニケーションと動機づけ」「人材育成」という2つのお仕事が入ります。
これらは単独で存在していると、相互に違う方向を向いてしまうので、仕事のマネジメントと人のマネジメントをつなぐお仕事として「目標を設定する」「評価を測定する」という2つのお仕事があります。

目標は、事業にも組織にも個人にもあります。
それらは相互に関係しています。
どれかがそっぽを向いてしまえば、どの部分においても目標は達成されません。
目標は達成すべき目指すべきものであると同時に、すべての根底に通ずるものでもあります。

目標が相互に影響し合うだけではなく、目標を達成するのにふさわしい仕事内容だったり全体の構造にも大きな影響を与えます。


目標……構造……仕事……とぶつぶつ言いながら、今日ご紹介する本を探していると、『「納品」をなくせばうまくいく』 (倉貫義人 著 日本実業出版社)が気になってきました。 

この本は、システム開発の中で起こる顧客と開発受託者とのすれ違いを埋めることを考えていたら、納品をやめることが糸口だった、という内容です。
システム開発という特殊な環境で起きていることではありません。
トップや商品開発といった川上から営業やカスタマーセンターのような川下の間に、滝のような大きな断絶が存在するので、そこを埋める手段の一つが納品をやめることだった、ということです。
カスタマーセンターに集まる苦情や依頼、怒号を集めて商品開発に活かさなければ、いつまでたっても商品は顧客の望むものには近づきません。
カスタマーセンターと開発部門が違う方向を向いている、という状況は、将来の社内の断絶をも生み出します。
組織としての目標は何でしょう。
目標を達成するために組織のそれぞれの部署は何をするべきなのでしょう。
部署の目標を達成するために、所属する個人は何をするべきなのでしょう。
本来どこにも、方向性の違いも断絶もないはずです。
組織の目標を達成するために、部署ごとで独立して活動することが適切なのか、何をやるにも部署横断のチームを編成することが適切なのか、それらが決まらなければ、チームの目標も個人の目標も定まるところがありません。
うまくいかないところには、うまくいかない理由があります。
あなたの組織の中で、この本でいう「納品」にあたる部分は何でしょう?
考え方を横展開できれば、きっと解決策が見つかるはずです。
この書籍、ITエンジニア大賞を受賞されているそうですよ!!
いろんな賞があるんですねΣ(・ω・ノ)ノ!


目標は立てて終わりでも、「達成できてよかった」だけでもありません。
行動の結果を見つめ、そこから次のステップをどう進むべきかを考えるベースになります。

目標とは、フィードバックするための期日や目指す状態などが明記されているものです。
うまくいくことだけを念じてつくられていれば良いものではなく、うまくいかなかったときにこそ、活用されるべきものではないでしょうか。

現状が適切であれば、何も行動しなくて良いはずです。
現状よりもより良い状態を目指すから、目標を立て、いつまでにどんな行動をし、どんな結果を得るための努力をするのかを考え、行動するんですよね。

目標は、組織の構造や仕事への向き合い方にも大きく影響を及ぼします。

うまくいかなかった結果は、組織構造が適切ではなかったために引き起こされた可能性があります。
目標が遠すぎて息切れしてしまった可能性もありますよね。
マネジャーさんは、チームメンバーより、1段もしくは2段高いところから俯瞰してみてみましょう。
原因が見えてこなければ、チームメンバーと一緒に考えてみましょう。
複数の視点が得られるのも、組織の利点ですもんね♪


あなたのチームの目標は明確ですか?
行動できる目標となっていますか?
行動しにくい目標になっている場合、どのように目標に手を加えればいいでしょう?
行動した結果うまくいっていなければ、どんな振り返りをしましょう?
どこかでずれが生じていることが見えていませんか?


実践するドラッカー【チーム編】』 
chapter3 目標を掲げるー組織と個人のベクトルを合わせる p82
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実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
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佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
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