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現状突破をするための仕組みは、あなたの事業の使命に沿うものですか?[事業編 #10]

GM物語は、理想を追い求めて王者に挑戦し、首位の座を奪取した物語です。そこで定義された事業とは、まだ見ぬ姿を環境、使命、強みの各要素として描いていったものです。

【物語で学ぶ GM物語ー3つの要素、相互の合致を見る】


GMのお話は、ドラッカー先生の『マネジメント』や、『【新訳】GMとともに』(アルフレッド P.スローン .Jr 著 有賀 裕子 訳)に詳しいので、そちらでご確認ください♪


事業とは、市場において知識という資源を経済価値に転換するプロセスである。
その「事業」の定義が
①組織をとりまく環境
②組織の使命(目的)
③使命を達成するための必要な強み
という要素から成り立っています。

GMにおいては……

①組織をとりまく環境
GMは、多くの自動車会社を傘下に収め、事業部制をとっていました。
それぞれの部が元の会社の体制を維持し、独立採算制をとっており、財務体制も脆弱な状態でした。
組織の外を見てみると、フォード車がT型フォードという低価格帯の車種で自動車産業界の60%の市場を占めており、GMはたった12%という状況です。

②組織の使命(目的)
「エンジン付きの陸上輸送機器の分野でリーダーになること」です。

③使命を達成するための必要な強み
「われわれは会社の現実ではなく理想を追求し、これを支えるべき政策基準を確立する」と宣言し、宣言に沿った行動をとりました。

1920年代当時の景気後退期から自動車ブームの追い風に乗り、低価格帯から高級車までの6種類それぞれにおいて、価格として大きなギャップが生じず、量産による利点が失われるほど開きが小さくならないよう調整し、価格帯の上限を狙うことで財務体制の刷新をはかりました。

ドラッカー先生は、このGMの物語から、3つの定義の合致の必要性を説いています。

②組織の使命に沿った形で、①市場が望む理想的な姿(各価格帯の車種の選択ができること)から、フォード社と戦うための構想を立て、③財務体制の強化をはかるべく、価格帯の設定や、価格帯ごとのギャップの調整を行うことで、王者フォードを抜き去り、アメリカの自動車業界の圧倒的地位に上り詰めました。


市場シェアトップの地位から落伍し、復活するまでのお話、といえば『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』 (田村潤 著 講談社+α新書)でしょうか。
トップの地位にいると、その居心地の良さがずっと続く錯覚におぼれ、転落してもすぐには体制を整えられないものだ、という実態を知りました。
社会がどういう状態を目指すことが、どれだけの良い影響を振りまくことができるのか、を考えれば安住できることはないと思います。
社会が良くなることを考えた事業であれば、社会が良い状態になったと安心できるという状況を迎えることは、単に目標を小さく設定していたにすぎません。
「安定したな」と感じたら、危険な状態である、と気づけるアンテナが必要です。


②組織の使命(目的)が適切かどうかが、他の2要素、①組織をとりまく環境の適切な認識と、③使命を達成するための必要な強みの構築の必要性を知り、実践することにつながります。

わたし自身はスポーツが苦手です。
速く走れるわけでもないし、球技なんて全くできません。
でもTVでスポーツを見ることは、楽しみにしています。
少子化によりスポーツを楽しむ子どもの母数そのものが減っていて、スポーツに親しむ機会の拡大に苦慮されていることは知っていましたが、大学における部活動の勧誘機会損失による選手減という状況もあることを認識できていませんでした。

このニュースをみて、将来スポーツ観戦が成立しなくなる可能性を感じました。

災害があったり、人々が楽しむことは罪悪である、と思ってしまうような状況が続くことで、スポーツで頑張る姿を示してくださる方やエンターテイメントを楽しむ機会を提供してくださる方は苦境に立たされます。
インターネットが個人の手の中に納まる技術が開発されたことで、エンターテイメントは発信方法が大きく変わり、まだまだ拡張傾向にあるかと思いますが、スポーツは、まだ続けられる環境が維持されなければ衰退してしまうように感じます。

①スポーツをとりまく環境は現状どうで、将来どうあるべきか、
②スポーツの使命(目的)はなにか、
③スポーツの使命を達成するための必要な強みは何で、その強みを活かして何を構築するべきか
そして、スポーツを楽しむ側は何ができるのか、を考えていかないといけないのだ、と感じています。

公園で、親御さんに体の動かし方を教えてもらっている子たちを見かけると、嬉しくなっちゃいます。
ブレイブボードを乗りこなしてる子たちを見ると、尊敬しかありません。
どんなスポーツでも、楽しめる環境が整えばいいなぁ、と願ってやみません。

あなたが関わる事業(モノ・サービスの提供、スポーツ、エンターテイメント……)は何ですか?
その事業の現状はどのようなものですか?
その事業は、どんな使命を持っていますか?
その使命を果たすために、何が必要ですか?
その使命を果たすために、誰に手伝ってもらいますか?
その使命を果たすために、どんな仕組みを構築しますか?


実践するドラッカー【事業編】』 
PART1 理論編 chapter1 事業とは何か p23 #10


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サークル始めました♪
このサークルには、みなさんの事業を支援する、という使命があります。
ドラッカー先生の言葉は使ってなんぼ、使わなければ役割の半分も果たしていません。
ドラッカー先生の言葉を使ってもらう機会を増やすことで、みなさんの事業をお手伝いします!!
そのために、わたしができることが読書会という手法だっただけで、違う形もあるんだろうな……と考え始めています。
何がいいかなぁ……。


実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?

【事業編】は、時間軸を意識し、自らを変革させていく姿勢と方法を習得するため、自らの事業を明確に定義するための補助線として書かれています。

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