うまくいかないのは、顧客にとっての価値を提供できていないから。提供するための努力が適切ではないから、ではないでしょうか。[利益とは何か #24]
利益とは意味ある分野において、独自の貢献あるいは少なくとも差別化された貢献を行うことによって得る報酬である。そして、何が意味ある分野かは市場と顧客が決定する。すなわち利益は、市場が価値ありとし、進んで代価を支払うものを供給することによってのみ得ることができる。そして価値あるものとは、リーダー的な地位によってのみ実現される。
『創造する経営者』第Ⅰ部 事業の何たるかを理解する
第1章 企業の現実 p7より
「新たな資本は、生産と消費の差から捻出するほかにない。その差が利益である。」(『企業とは何か』p216より)
この記事で、わたしにとっての利益とは「利益とは、社員・関わる人を幸せにする軍資金である」と書きました。
利益は、組織活動の軍資金です。
その利益は、顧客が、組織の提供するモノ・サービスに対して支払う価値がある、と考えてくれるからこそ生まれるものです。
「利益とは意味ある分野において、独自の貢献あるいは少なくとも差別化された貢献を行うことによって得る報酬」ですよね。
その商品を買いたい、その商品を提供している組織の活動に参加したい!! という想いまで生み出せたなら、顧客にとって価値がとても高いことになります。
利益をたくさん集められることになり、組織の活動をより活発にし、組織が提供するモノ・サービスの価値をより高めることにもつながります。
顧客参加型サービスを提供している組織、いろいろありますよね。
ビールにまつわる色んなイベントを開催しているヤッホーブルーイング。
ファン株主に向けた取り組みを多数開催しているカゴメ。
購入者だけが参加できるオーナーズクラブを運営しているグランドセイコー。
人間性の回復を使命とするスノーピークが心からつくりたい未来をお見せする展示会「体験型事業構想展示イベント」の開催、今後も継続開催を検討しているスノーピーク。
調べ始めたら面白くなってきちゃいました( *´艸`)
ここでご紹介できた取り組みは、ほんの一部にすぎません。
きっと、もっと多くの取り組みがあり、それぞれの組織が、それぞれ得意な分野でリーダー的な地位に立ち、その立ち位置に立つことでより良いモノ・サービスを提供するために、これまで以上に奔走されていることでしょう。
それだけ奔走するからこそ、利益という報酬を得ることができるのです。
利益が上がらない……と感じることがあるならば、それはきっと、市場が価値ありと認めることのできない状況があるからでしょう。
リーダー的な地位からの転落、そこからの復活が描かれているので『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』 (田村潤 著 講談社)のご紹介です。
長く続く組織には、歴史の中での乱高下があるものです。
しかもその降下の原因は、ライバルとの戦いというよりも、自社の風土との戦いもあります。
敵はより身近だったりするものです。
でも、組織の属する分野で他社より秀でるため、リーダー的な地位に上り詰めるためには、その視点も見逃すことはできません。
100年企業のキリンビールで起きた、トップからの脱落、そしてそこからの復活劇が、当事者の視点で描かれています。
リーダー的な地位に立つためには、中の人たちが自ら考え決定し行動することが引き起こすものがあります。
だからこそ、市場と顧客に選ばれる組織、モノ・サービスが生まれるんだと思うのです。
わたし自身はビールを飲みたいっ!! と感じるほうではないのですが、CMを見るたびに、楽しそうだなぁ……と感じるホームタップ。
こちらもキリンの商品ですよね♪
わたしの身近な方たちの中でも申し込もうか悩んでいる方がいます。
他社よりもビールの多様性があることが、キリンを推す理由になっている方もいらっしゃいます。
リーダー的な地位にいる、ということは売り上げという見える成果が上がっていることかもしれませんが、この組織いいよね~! と話題になることも、リーダー的な地位にいることを示しているような気がします。
この組織・この商品・このサービスいいよね~!! と伝えたくなるものありませんか。
その組織・商品・サービスはなぜお勧めしたくなるのでしょう。
そこにはきっと、リーダー的地位にある必然的な理由があるはずです。
あなたが提供するモノ・サービス、属する分野・業態においてリーダー的な地位にありますか?
リーダー的な地位に立てているのはなぜでしょう?
市場と顧客に選ばれている理由は何でしょう?
リーダー的な地位に立てていないのはなぜでしょう?
市場と顧客に選ばれていない理由は何でしょう?
『実践するドラッカー【利益とは何か】』
chapter3 われわれの顧客は誰か 顧客にとっての価値は何か p63 #24
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実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?
[利益とは何か]は、ミッションからスタートする<5つの質問>というツールを使いこなせるようになることを目的に書かれています。
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