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寄付を公言すること


不便な本屋は毎月あしなが育英会に寄付をしています。

不便な本屋を始めるとき、寄付で成り立つ仕組みの本屋であることから何かしらの形で社会に還元しようと決めていました。あしなが育英会に決めた理由は、至極個人的なことになりますが、私自身が早くに父を亡くしていることや東日本大震災で罹災し、何度も金銭的な理由で諦める選択をした経験があるからです。

コロナ禍でのあしなが育英会の対応には頭が下がる思いでいっぱいでした。子どもが安心して生活すること、平等に学ぶ機会が与えられることを願うだけでなく、小さなことからでも出来ることを探して行動していきたいと思い、売り上げから少額ですが千円から毎月継続して寄付を続けています。

最初は寄付を公言するか迷いました。金額が少ないとか、公言することじゃないと思われるかなと考えました。千円の寄付でも売り上げがマイナスに近い月も出てくることも予想出来ていたので言わないで売り上げのいい月だけ寄付しようかななんて考えも浮かびました。しかし、小さなことからでも始めること、公言して続けることがたとえどんなに小さなことでも何かを変えるためには必要だと思い発信していくことにしました。

また、不便な本屋のために本を寄付して下さった方の好意が社会に繋がっていくことを私自身が嬉しく思い、知って欲しいという気持ちもありました。発言する場所はSNS上だけなので、ご来店いただいた全ての人が寄付が寄付に繋がっていることを知っているわけではありません。それでも気がついて同じように喜んでくれる人がいたらいいなという気持ちで毎月インスタグラムで報告を続けています。

公にしたのはさらに理由があって、あんな人でも寄付できるんだ!と思ってもらいたいというのがあります。会ったことがある人は分かると思いますが、私は本当にどうしようもなくぼんやりした人間で、あんなぼんやりした人でもできるなら自分もできるんじゃないか、そんな風に思ってもらえたらいいなと思っています。自分を卑下しているわけでもなく、本当にぼんやりとしているのでそこを使ってみようという作戦です。


人は自分の経験以外のことを想像するのは難しいと考えています。だからこそ学び、想像し続ける必要があります。不便な本屋が何かしらのきっかけになり、良いことも悪いことも自分の想像や体験を超えて知る機会を得る一因になったら嬉しいです。もちろん全ての読書や体験から何かを学ぶ必要はなく、まずは楽しむことがいちばんです。私自身が選び抜かれた言葉をなぞることが大好きで楽しんでいます。そんな楽しみの中で、自分に余裕があるときは出来る範囲で社会に目を向けて手助けする側にまわれたらいいな、とそんなことを考えています。


【b.e.park POPUP STORE不便な本屋】
営業日時
土日 12:00-14:30、17:00-19:30
平日 b.e.park営業時間に準ずる
https://www.instagram.com/fuben_na_honya

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