初めての作文指導
毎日暑いですね…夏が大嫌いな私はすでに夏バテ状態です。
今学期から週2コマ、作文指導を担当しています。またしても私にとっては初めてのことで、自分の子供の作文を添削したことがあるくらいで、どうやって留学生に教えるかなんて全くわかりません。
指導の仕方をレクチャーしてもらいました。一応、基本となるテキストがありますが、使う言葉や文型、どんなことを書くかがイメージできる質問など、足りないところを追加、修正しました。最後に作文例の扱いはどうするか迷いましたが、最初は載せることにしました。
作文指導をするクラスは、私が担当するのも4月期目になりました。初級から始まり、今中級です。このクラス、初級の時から先生方が頭を抱えてしまうなかなか難しいクラスです。初級の内容も頭に入っているかどうか微妙です。ちゃんと挨拶はしますし、元気はあるのですが、なかなか日本語で話せません。前学期から午前の授業になったので、とにかく遅刻が多いです。授業中何度起こしても、寝てしまう学生もいます。みんな大人だよね…日本語上手になりたいんだよね?やる気ある?と確認したくなる学生が多いです。
このクラスに作文…彼らは書けるのだろうか。不安しかなかったです。最初に自分の国の言葉で作文を書くことは好きか聞きました。だいたいの学生が渋い顔をしました。まあ、そうですよね。私も作文が好きかと聞かれたら、同じような顔をするでしょう。
大丈夫、作文は楽しいよ〜とアピールして、まずは原稿用紙の使い方の指導です。400字の横書きの原稿用紙を使って、ルールを説明しました。もちろん一回では覚えきれないので徐々に慣れていけば大丈夫です。
初日のお題は「わたし」です。自己紹介ですね。このお題に関係する言葉や文型を確認して、ペアでお互いのことを質問し合い、作文に書くことを膨らませます。最後に作文例を読んで、さあ書きましょう。
机間巡視をしながら、お題、名前の書き方をチェック。さっき言ったばかりだけど、だいたいの学生がおかしなところに書いていました。
さて、どのくらい書けるのか。
意外や意外、けっこうみんな書いていました。初めてなのにすごいです。添削してみると、文法の間違いはたくさんありましたが、まずは書けるということがわかって安心しました。
ただ、心配な学生がいます。一行も書けないんです。彼に付いて質問をしたりして、書いてみようと促しても首を横に振ります。これまで、4回ほど作文の授業をやりましたが、3回目に5行書けて喜んでいたのですが、4回目はまた一行も書けませんでした。
書けないのでなくて、書きたくないという方が大きいようです。最初の授業の時、僕は書きたくありません。と、中国語で言っていたことを隣の席の学生が教えてくれました。
彼に限らず、このクラスの学生は自分の言いたいことを日本語で言うことができない学生が多いです。中級なので、間違っていいので多少は言うことができてもいいのかなと思います。それがなかなか難しいようです。その為、中国語が飛び交います。授業中、何度も日本語で!と言います。そうすると、言えないのです。よくある反抗しているのではなくて、本当に言えないのです。私の日本語で!が定番になったらしく、誰かが中国語を言い出すと、誰かが日本語で!と言ってくれます。でも、言えません。
一行も書けない学生も、口から日本語がほとんど出てきません。もちろん、書いてあるものを読むことはできるのですが、自分の口からは出てこないのです。それでは、自分の言葉で作文は書けませんよね。
次の作文のお題は、担任の先生にも相談し、彼が絶対に書けるものにすることにしました。それは「好きなこと」です。彼はそれで日本に来たらしく、毎日練習しているそうです。なんとか書けるようにしたいです。
作文指導はなかなか難しいですが、普通の授業とは違うコミュニケーションが取れますし、作文を読むことで知らなかったことを知ることができるので、私はけっこう好きです。
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