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中国で食材と戯る。(30) 鰻-1 -2020-

私が中国という国、土地で扱ってきた食材たち )
ある時は店の為、ある時は自分の食事・好奇心の為。
ある時は、海外からの輸入物、日本からの輸入物、もちろん現地の魚、肉、野菜。
ある時は ”試行と錯誤”、ある時は ”創意と工夫”、そんなこんなで続けてきた、自身の調理と撮影。
仕事であり、趣味であり、日常であった 私のライフワークアーカイブです。

寄稿にあたっての自身のコメント   


” 鳗鱼 man yu マンユュ "

  中国人も鰻が大好きである。養殖も盛んで、日本にも随分輸出している。
ヨーロッパ鰻のシラスを使っての養殖らしいが、デカい。
普通の近所の菜場(ツァイチャン)でも生簀に泳いでいることがあるし、無くても1、2日前に声がけしておけば、ある程度の大小指定をして取り置いてもらえる。

日本でいう鰻が " 河鳗 he man フゥマン "、
     穴子が " 星鳗 xing man シンマン "、
   鱧(はも)が " 海鳗 hai man ハイマン "であり、言い分けることは必要。

 国内外に向けての、加工済み蒲焼きも多くのブランドがあり、値段同様、
その品質にも差がある。
タレの原調味料類、醤油、糖類の良し悪しに始まり、その味付けのバランス、
鰻は大小の規格以外に、身の厚み、身の香り、クセなど様々。
鰻以外の何かを使ってないか?と疑いたくなるような不思議な品もある。

便宜上、店では創業以来、加工品の良質なものを選び使用してきた。

 

” 自家製 鰻蒲焼き "                2020.

 コロナ発生以降、営業スタイルを変えて仕込みも営業もワンマンだ。
不便なことも多いが、仕込みの時間もスペースも自分次第、自由自在だ。料理の質と単価を上げていく時に、鰻にも当然手をかけていくことに。。。

撮り置いた写真があるので、数回に分けて記事を書くことにする。全体的にストーリー性を持たせる為に順不同 ( 原則、束ねる写真は1回毎の仕込みのもの、記事自体は 1 年で1記事を予定 )となることを理解いただきたい。

この記事と後編の構想について 

 

 夕方に鰻が運ばれ、眉間を叩いて神経を切った状態で氷締め。6時間ほどキンキンに冷えて頂かないと私は捌けない。仮死状態、これぐらいでは死なずに動きは穏やかになる。営業前に締め、23時営業終了と同時に鰻を捌き始める。

カウンターで捌きながら、頃合いを見て2階の焼き台に炭を起こす。串打ちが終わる頃には、火が回る。



 鰻屋さんでは無いので、肝串だけは自分の為に焼くことにした。
毎回肝串をこの仕込みの苦労のねぎらい、自分へのご褒美とさせていただいた。
好物なので、苦労より、次の仕込みが楽しみになったりして。。。




 店では、揚げ物ができない為、干した鰻の骨は持ち帰り酒のアテに。
肝ほどのパワーにはならないが、自分にお疲れさん。。。


      ▼  次回、半助 ( 鰻のカマ )を使って煮凝りを。   


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